全方位から狙われています。【名探偵コナン】

射撃訓練３ ページ25

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「上手くなったな。」
「ありがとうございます。」

スパルタ指導は毎日、毎日と繰り返され、今日は７日目の午前中にも関わらず、１０発中１０発命中という数字を叩きだした。
上手くいった時に褒めてくれる分、降谷さんと比べれば、モチベーションは遥かに上がりやすかった。
元々、射撃は好きだったのもあるし。
お陰様で、私の掌は女子だと思えないほどマメだらけだが。
次を撃とうと、銃弾が入っているケースに手を伸ばそうとした所、その手を赤井さんに掴まれた。
え、なに。

「今日はこれで終わりにする。明日から、FBIの仕事がある。今日はゆっくり休め。」
「……はい。」

いちいち、私の手を触らないで欲しい。
……緊張するから。
そんなことは言えるはずもなく駐車場に止まっている赤井さんのシボレーに乗って、ホテルへ戻る。

アメリカへ来て、一週間。
英語は元々喋れていた分、買い物などでは困らなかったが、やはり他国での生活には違和感が伴うもので、ようやくアメリカでの生活に慣れ始めてきた頃だった。
射撃訓練も今日で終わりである。

私は赤井さんに言わなければいけないことがあった。

「赤井さん、私思い出したことがあるんです。」
「……何だ？言ってみろ。」

「４年前、私を撃ったのは赤井さんですよね。」

二人の間に沈黙が流れる。

……ビンゴ。
もし、違うのであればここで何らかの否定をする筈だ。
否定をしないのなら、思い当たることがあるという事。
これはYesと受け取っていい。
未だに口を開かない赤井さんに私は続ける。

「私は赤井さんに狙われている刑事さんを庇って、怪我を負いました。その一件の後、異常とも思えるほど病室で感謝されたのを覚えていますが、その半年後には彼の存在が無かったことにされています。変じゃないですか。少なくとも、普通じゃない。赤井さんが彼を撃とうとしたのは、FBIではなく何らかの組織の仕事だったのでは無いですか？例えば……」

ずっと考えていた。
赤井さんの構えは５年前に私を撃った人で間違いない。
じゃあ、その狙いは何なのか。

「黒の組織とか。」

赤井さんの眉がピクリと動く。

「話がある。続きは部屋についてからだ。」

降谷さんでさえ、おしえてくれなかった組織の中核に近づけるかもしれない。





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