赤井秀一という男10 ページ21
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「会いました。が、一言、二言話した程度です。」
「……どうだった。赤井秀一という男は。」
「少々自信家なところがありますが、気を遣える方……という印象ですかね。可もなく不可もなくといったようで。」
「一言、二言しか話していないのに、やけに具体的だな、A。」
しまった。
やはり降谷さんの方が一枚上手だったようで、私の嘘は早くも見抜かれてしまう。
「どういう事か説明して貰おうか?」と言わんばかりの威圧感が、電話越しにも伝わってくる。
……これは、まずいことになった。
でも、ここで引き下がっていたら駄目だ。
どうにかして、頑張って、頑張って誤魔化すしかない。
「いや、別に赤井さんとは何も……」
「俺が、どうした?」
急に声を掛けられて、体が飛び跳ねる。
すぐ後ろに上半身が裸の、オマケにほどよく筋肉のついた赤井さんの腹筋があった。
普通の女の子なら、「キャーー!」と叫びたくなるところだが、男ばかりの環境で育った私は見慣れている光景だ。
逆に、毎回叫ぶ方が労力の無駄だと……そんなことはどうでもいい。
さらにまずいことになった。
このまま、電話を続けることは危険すぎる。
私が殺されかねない。
「今の声は誰だ!?A、返事を……」
「上司に呼ばれました!また今度、私から電話しますので、すみません!おやすみなさい!」
「ちょっ、A、おい……!」
身の危険を感じた為とはいえ、強引に切ってしまった……。
次、降谷さんに電話したときに説教されるのは間違いないだろう。電話を掛けずにいられるのは、もって一週間だと思う。
それ以上は、降谷さんがアメリカに来てしまいそうだ。一週間後に執行される。私の罪……!
私が無駄な気を遣うハメになった元凶は、私の気も知らないでスマホ画面を覗いてくる。
近い!近いわ!!
「プライバシーの侵害です。」
「誰からの電話だ?」
「……友達です。アメリカにいる私が心配なようで。」
「そうか。邪魔して悪かったな。」
恨まれている名前を出すのは余計な反感を買いかねないと思い、敢えて降谷さんの名前は出さなかった。
だって、怖いもん!
赤井さんの機嫌まで損ねたくない。
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一(プロフ) - 坂竹会長さん» 七瀬ちゃんに質問ありがとうございます!キャラ設定載せるときに回答させてもらいますね!更新ガンバリます!! (2018年10月6日 19時) (レス) id: cd2af638b2 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - 坂竹会長さん» ご指摘ありがとうございます!直させていただきました! (2018年10月6日 19時) (レス) id: cd2af638b2 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - salomeさん» 降谷さん視点了解です!多分、番外編になると思いますが書かせて頂きます!ゼロの日常は全話は少し難しいかもしれませんが、いくつか書きますね!私もハロ大好きです!リクエストありがとうございます! (2018年10月6日 19時) (レス) id: cd2af638b2 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - 七瀬ちゃんに質問です。 貴方は犬派?猫派?甘党?辛党?普通?です。 更新頑張ってください。ベルモット姉さんンンンンン”””””((殴り 失礼しました(笑) (2018年10月6日 17時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ5名前変換なってないのではないのでしょうか?間違っていたらすみません。 失礼しました (2018年10月6日 6時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一 | 作者ホームページ:https://twitter.com/ninoma_e
作成日時:2018年9月16日 17時