全方位から狙われています。【名探偵コナン】

七瀬、FBIになる。８ ページ8

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「おでこが少々腫れているな、蚊にでも刺されたか？」
「この時期に蚊はいません。あーー、早く松田さんに会いたいなぁ。」
「予約は取ってあるから、もう来ているハズだ、そんなに松田の事が好きだったか。」
「安心してください、降谷さんも好きです。」

何を思ったのか頭を抱え込みだした降谷さんはさておき、居酒屋の中に入る。
店員さんに「ご予約のお客様ですか？」と尋ねられるが、警戒心の強い降谷さんのことだから、きっと偽名で予約しているのだろうと思い、結局降谷さんが来るまで待つことにした。
予約名を訊くと、「風見」だった。めちゃくちゃ笑う。

「A、降谷。久しぶりだな。」
「松田さんお久しぶりです！あれ、もう飲んでるんですか。」
「最近はゆっくり酒を飲む時間も無かったからな。悪ぃな。」

店員に案内された個室に向かうと、ネクタイを緩めたイケメン松田さんが座っていた。
配属されている課が違うから、松田さんとは降谷さん以上に会う頻度が少ない。

しかし、このような機会に会えて松田さんの生存確認が出来て良かった。
次、また爆弾魔を追いかけなんかしたら、もう一度助かるという保証はどこにも無い。
各々に飲み物と食べ物を頼んで、乾杯を交わした。

「AがFBIにお呼ばれするとはな。いや〜〜、FBIは見る目があるねぇ。」
「遠回しに皮肉ですよね！？私には分かります。」
「そういや、Aと初めて会ったのは、九年前か。時が過ぎるのは早いな。」
「本当だよ。JKが趣味がハッキングって聞いてドン引きしたのを昨日の事のように覚えてる。」
「松田さん、うるさいですよ。」

思い出話に華を咲かせながら、ご飯を食べる。
降谷さんが運転をする為、もう一度私の家で飲みなおすことになり、お酒は松田さんが少し飲んでいるくらいである。
私は酔いやすいので、無難にオレンジジュースを頼んだ。
居酒屋のオレンジジュースはこれまた格別にうまい。

「明日は午前七時発だったよな？」
「はい。」
「え、そんな早い便で行かされるの？……って、俺も朝から仕事だったわ。ゴメンな、見送りに行けなくて。」

松田さんの骨ばった手で、頭をぐしゃぐしゃと撫でられる。
私は高校生の時から、この大きな手に何度も救われてきたのだった。





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公安勤務は「公安である事」を家族にさえ口外してはいけないようですが、都合がいいため七瀬、降谷が公安であることを松田には言っている設定にさせてください。

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