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城ケ崎は昨日と言っていることが違う俺に対して、怒っている様だった。
でも、何でAさんじゃないといけない理由なんて簡単な話である。
「好きだから。Aさんが好きだから、Aさんが付き合っていようが、結婚していようが今の俺はAさんを想い続けるよ。」
無理に笑って見せた。
失恋しているのにこんな事思うの、気持ち悪いだろうし、引かれていると思うけど、俺にはこの気持ちを曲げることは出来なかった。
きっと気持ちの悪い俺の事だから、ずるずるとAさんの事を想い続ける。
その気持ちが全て無くなったころには、俺の肉体はもうこの世にはない。
すると、城ケ崎は呆れたように笑った。
「分かった。諦める。その代わり、一つだけ茉莉のお願い聞いてほしい。」
音駒祭が終わってから、二日が経ち、喧嘩をして逃げてきたから当たり前の話だが、それ以降、赤葦くんからは何の連絡も来なかった。
その代わりと言ってはなんだが、音駒祭のときに赤葦くんの隣にいた茉莉ちゃんという子からLINEがきた。
「女の嫉妬ね。」
「うわぁっ!?って、あかりか……びっくりした。」
茉莉ちゃんとのトーク画面とにらめっこしていると、あかりが覗き込んできた。
嫉妬……?
誰に、何を嫉妬しているのだろう。
あかりの言葉に首を傾けていると、あかりは呆れたようにため息をついてから私に教えてくれた。
「気付いてなかったの?茉莉ちゃんは、赤葦くんの事が好きって。」
「っえ、えええええ!?本当に?嘘だ〜〜。」
「本当。赤葦くんを見てる時のあの目、見なかったの?ギラついてたよ。」
「へえ〜〜、じゃあ私、悪いことしちゃったかな……」
好きな人が目の前で知らない女とずっと喋っていたら、誰だって嫌だろう。
赤葦くんにとって、私がどんなに気のない女の存在だったとしても勘違いしてしまう。
無意識とはいえ、傷つけてしまった事を謝りたい。
茉莉ちゃんは昨日の晩、どこからか流出している私のLINEに「明日の放課後、音駒高校の校門前で会いませんか。話したいことがあります。」とメッセージをくれたのであった。
きっとLINEの出どころは、きっと音駒祭で茉莉ちゃんをナンパしているであろう黒尾あたりだと思うのだが、それは置いておいて正直、行くかどうか迷っていた。
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雨 - あっあっあっ…ァァァァァ!!黒尾ぉぉぉぉ(´;ω;`)無茶苦茶面白かったです!!! (2019年5月12日 21時) (レス) id: cd5b3b3e38 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - 赤葦ぃぃぃさん» 赤葦ぃぃぃさんコメントありがとうございま!可愛いと言ってくださって嬉しいです……!励みになります! (2018年10月1日 21時) (レス) id: 91c2879456 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - みゆみゆさん» みゆみゆさんコメントありがとうございます。返信遅くなってしまい、申し訳ないです。ヤンデレ葦可愛いですよね!作者の大好物です。応援ありがとうございます! (2018年10月1日 21時) (レス) id: 91c2879456 (このIDを非表示/違反報告)
赤葦ぃぃぃ - やだあかーしかぁいい(悶え中)ぐぅう可愛い……!更新頑張ってください続き待ってます! (2018年9月30日 17時) (レス) id: a076412724 (このIDを非表示/違反報告)
みゆみゆ(プロフ) - えっ、どうしよう…可愛い…(ヤンデレ赤葦を可愛いと言ってしまう重症者) 番外編の続き、お待ちしてます! おもしろかったです(*´`*) 応援してますからね〜|壁|´`) (2018年8月9日 22時) (レス) id: 3935b1d5f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一 | 作者ホームページ:https://twitter.com/ninoma_e
作成日時:2018年7月21日 20時