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「うるさい、帰れ……」
「その様子じゃ、昨日の晩から何も食べてないでしょ!ゼリー買ってきたから食べて!」
城ケ崎は以前のように自分の事ばかりを主張する人間ではなくて、人の事もちょっとは考える人間になっていたようだった。
蓋の開いたゼリーとスプーンを目の前に出され、拒否するほどの体力も無かった為、大人しく受け取って食べた。
俺が呑気にゼリーを食べている間、城ケ崎は色々世話を焼いてくれていたみたいで、初めに何も聞かず追い返そうとして悪かったなと思った。
「ありがとう。……その、帰れとか、言ってゴメン。」
「いいよ、気にしてない。」
謝罪をすると、城ケ崎は許してくれたようだった。
ゼリーを食べ終え、とくに意味もなくぼーっとベッドの隣にある小窓から外を眺める。
鬼ごっこをしている子どもたちがいて、楽しそうだななんて思いながら少し微笑んだ。
すると、どこからか視線を感じて振り向く。
その視線の先は言わずもがな、城ケ崎だった。
「何?」
「ねぇ……茉莉じゃ駄目?」
「えっ」
小さい頃から、わりとモテる方だった俺は特有のこの空気を知っていた。
……だからなのか、城ケ崎が必要以上に俺に話しかけてくるのは。
表面上でだけ、分からないふりをして城ケ崎が何か言おうとしているのを待った。
「茉莉ね、新学期のあの日から京治くんの事が好きなの。Aさんじゃなくて、茉莉じゃ駄目?」
予想的中、やっぱりだ。
……困ったなぁ。
フラれたばかりの俺に告白だなんて、健全な男子高校生としてはどこかクるものがある。
でも俺、Aさんのせいで健全な男子高校生じゃなくなっちゃったから。
正直、今Aさんの話をするのはつらいけど、それでも気持ちを伝えてくれた城ケ崎にはそれ相応の返事をしなくてはならなかった。
「……その、俺Aさんには所謂、一目惚れって奴でさ。城ケ崎と多分同じ。どうしても、今はAさんの事しか見れない。ごめん、俺はAさんの事が好きなんだ。」
「何でっ……Aさんは及川さんとキスしてたじゃない!京治くんも見たでしょ!?京治くんの……入る隙なんてないんだよ?京治くんだって、二人を見てお似合いだねっ……って。何で、何でっ……Aさんは良くて、茉莉は駄目なの!?」
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赤葦病みすぎて苦手な方いたらごめんなさい。
女々しい赤葦がかわいいです。
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雨 - あっあっあっ…ァァァァァ!!黒尾ぉぉぉぉ(´;ω;`)無茶苦茶面白かったです!!! (2019年5月12日 21時) (レス) id: cd5b3b3e38 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - 赤葦ぃぃぃさん» 赤葦ぃぃぃさんコメントありがとうございま!可愛いと言ってくださって嬉しいです……!励みになります! (2018年10月1日 21時) (レス) id: 91c2879456 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - みゆみゆさん» みゆみゆさんコメントありがとうございます。返信遅くなってしまい、申し訳ないです。ヤンデレ葦可愛いですよね!作者の大好物です。応援ありがとうございます! (2018年10月1日 21時) (レス) id: 91c2879456 (このIDを非表示/違反報告)
赤葦ぃぃぃ - やだあかーしかぁいい(悶え中)ぐぅう可愛い……!更新頑張ってください続き待ってます! (2018年9月30日 17時) (レス) id: a076412724 (このIDを非表示/違反報告)
みゆみゆ(プロフ) - えっ、どうしよう…可愛い…(ヤンデレ赤葦を可愛いと言ってしまう重症者) 番外編の続き、お待ちしてます! おもしろかったです(*´`*) 応援してますからね〜|壁|´`) (2018年8月9日 22時) (レス) id: 3935b1d5f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一 | 作者ホームページ:https://twitter.com/ninoma_e
作成日時:2018年7月21日 20時