【HQ】梟谷2年の赤葦くんとかいう美少年にストーカーされてます。２【赤葦京治】

黒尾鉄朗の苦悩１ ページ21

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失恋した黒尾の話です。書くのが遅くなってすみません。しおりを外さないで下さった方、本当に有難うございます。




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俺の同級生に最近彼氏が出来たらしい。名前はAといって、めちゃくちゃ可愛くて、優しくて、面白い奴。彼氏は他校の後輩だった。クソ美少年で、料理も勉強もできてオマケに一途すぎるぐらい一途な彼は、非の打ち所がない男であったのでいつか押されて付き合うと思っていたが予想より遥かに速いスピードで見事Aを落としたらしい。
付き合ったことを風の噂で聞いた数日後、Aは頰を赤らめながら「赤葦くんと付き合うことになった。」なんて報告してきた。

知ってる。つーか、言われなくても見りゃ分かる。その時は笑って「幸せになれよ」なんて言っていたが、正直腹がたった。お前、俺の気持ちなんか１ミリも考えたことねえだろバーカ。鈍感すぎてマジで無理。俺のこと好きになれなんて言わないけど、ちょっとは察せよ。

「黒尾、今日の練習メニューなんだけどさ」
「うっせ馬鹿。ホント鈍感。ありえねえ。」
「……機嫌悪い？」
「超悪ぃ。誰かさんのせいでな。」
「それってもしかして私なのでは？」

俺のせいだよ。関係崩れるのが怖くて、好きの１つも言えなかったクソダサい俺のせいだよ。悪かったな。
ムシャクシャしたから頭をぐちゃぐちゃに撫でてやった。理不尽に暴言を吐かれ、髪を乱されAは怒っていたようだったが、そんな姿でさえ可愛い。
赤葦、Aのこと全然離しそうに無いよな。あんなの目見てりゃ分かる。あれは獣の目だ。一度狙った獲物は死んでも離さない、そんな目だ。それならいっそAに死ぬほど嫌われた方がなんか満たされるかもな。

って思って、放課後襲ってやろうかと思ったけどやめた。全然その気が起きねえ。きっと襲ったところでAはどうしたの、何があったのって俺に聞いてくるのだと思う。そんなの罪悪感で俺が殺されるわ。



このまま結婚しそうな気がする。と思い始めたのは、俺らが大学４年になってたまたま二人で飲みに行った時。女経験はそこそこあった俺だったが、未だ一定の彼女を作ったことがなかった。俺とは反対にAは今もなお赤葦とうまく行ってるみたいだった。





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