俺の息子がクソガキな件4 ページ18
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気が付いた頃には樹はやはりカゼを引いている体ではつらいのか、ぐっすりと眠っていてAはどこかに行く準備をしていた。
……ん?化粧なんかしてどこに……。
「A!どこか行くの?」
「あれ、言ったよね。今日祖母の家に行くって。」
ハッキリと思い出した。
たしかに先週の日曜日にそう言っていた。
よりによって樹がカゼを引いている時に……予定が被るか?
Aの祖父母の家はここから車で10分程度の所にあるから、きっと夜までには帰ってくることだろう。
という事は、Aが帰ってくるまで必然的に2人きりになるのだろう。
つまり、それまで樹の面倒は俺が見なくちゃいけないのか?
色々、頭の中がごちゃごちゃしている中、平静を装って必死に声を絞り出す。
「……はは、すっかり忘れてたよ。」
「だから、樹の看病お願いね?もう5歳だから、ぐずったりはしないと思うけど……。夜までには帰ってくるから。スポーツドリンクとゼリーと冷えピタは冷蔵庫に入っているし、お粥は鍋にあるからお腹空いたら温めて食べさせてあげてね。」
「よろしくね、パパ。」と耳打ちされて、「任せて。」なんて格好つけて言ってみたものの、内心めちゃくちゃ焦っている。
料理はそこそこ出来るから、お粥の作り方の説明なんかより樹について説明してほしかった。
どう接すればいいのか。全くと言っていいほど分からない。
そんな間にも、Aは玄関の方へ行ってしまい、「行ってきます。」の言葉に反射的に、「行ってらっしゃい。」と笑顔で返してしまうのだ。
ああ〜〜どうすればいいんだ。俺は。
Aが帰ってくるまで樹が眠っている事を必死に神様に祈った。
「パパしかいないの?ママは?」
「お婆ちゃんの家。夜には戻ってくる。」
起きた途端にママ(A)を探す樹。
どれだけ好きなんだこのガキは。
先程の俺の願いは神様に届かなかったようで、夕方の4時ごろ目覚めた樹は書類作成でパソコンと向き合ってる俺の元へとやって来た。
黙っていればかわいいのにな。
目をこすりながら、俺をみつめる樹はとても愛らしい。
「そっか。じゃあ僕、部屋であそんどくね。」
「寝てなきゃダメ。」
「え〜〜寝るのあきた〜〜。」
やれやれ、とため息をついて駄々をこねる樹を持ち上げてベッドまで運ぶ。
遊んで熱が上がって、ぶっ倒れられても俺が困る。Aと違って看病できる気が全くしない。
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雨 - あっあっあっ…ァァァァァ!!黒尾ぉぉぉぉ(´;ω;`)無茶苦茶面白かったです!!! (2019年5月12日 21時) (レス) id: cd5b3b3e38 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - 赤葦ぃぃぃさん» 赤葦ぃぃぃさんコメントありがとうございま!可愛いと言ってくださって嬉しいです……!励みになります! (2018年10月1日 21時) (レス) id: 91c2879456 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - みゆみゆさん» みゆみゆさんコメントありがとうございます。返信遅くなってしまい、申し訳ないです。ヤンデレ葦可愛いですよね!作者の大好物です。応援ありがとうございます! (2018年10月1日 21時) (レス) id: 91c2879456 (このIDを非表示/違反報告)
赤葦ぃぃぃ - やだあかーしかぁいい(悶え中)ぐぅう可愛い……!更新頑張ってください続き待ってます! (2018年9月30日 17時) (レス) id: a076412724 (このIDを非表示/違反報告)
みゆみゆ(プロフ) - えっ、どうしよう…可愛い…(ヤンデレ赤葦を可愛いと言ってしまう重症者) 番外編の続き、お待ちしてます! おもしろかったです(*´`*) 応援してますからね〜|壁|´`) (2018年8月9日 22時) (レス) id: 3935b1d5f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一 | 作者ホームページ:https://twitter.com/ninoma_e
作成日時:2018年7月21日 20時