全方位から狙われています。【名探偵コナン】３

側にいて１ ページ28

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黒の組織の仕事を終えたものの、家に帰る時間がなくなってしまった為、公安から徒歩10分のAの家で仮眠をとることにした。

合鍵を使って部屋に入ると、リビングにはゲーム画面が付いたままのディスプレイと、コントローラーを持って毛布にくるまって寝ているAがいた。どうやら、ゲームをしてそのまま寝落ちていたようだ。

俺が帰ってこないと言ったから油断したな？
半日オフだったらしいAはゲーム三昧だったと思う。

でも、幸せそうな寝顔を見るとあんまり叱る気にはなれなくて。さっとお姫様抱っこをして、寝室へと連れて行く。そこで目に入った、一輪の赤いバラ。

「赤いバラ……？買ったのか？」


赤いバラの花言葉は、『貴女を愛しています』
一本のバラは『一目惚れ』


Aと関わりのある女性といえば、梓さんや蘭さんぐらいしかいない。でもお二人は赤いバラをあげるようなタイプには見えないし、Aも自分で赤いバラを買うような人じゃない。

ということは、バラの贈り主は男性。

松田は無い。長い付き合いがあるのに、今更何でもない日に赤いバラを贈るようなやつじゃない。もしそうだったら、ロマンチストすぎだろ。

公安の人間も無いだろう。アイツらが贈るとすれば、モンス●ーエナジーかレッド●ルぐらいだ。


じゃあ、次の仕事のターゲットからか？……いや、今日はオフだったはずだ。それに最近のAは、書類整理ばかりでデスクに座りっぱなしだ。

色々と考えてみたが、思い当たるような人物はいなかった。「赤色」というのが気がかりだが、アイツはアメリカにいるはずだ。Aに会っている訳がない。


ムシャクシャして無意識に赤いバラの方へ手が伸びた。処分してやりたい気持ちでいっぱいだったが、僅かに残っている理性で手を引っ込めた。

バラには罪が無い上に、花を飾っているAなど今まで見たことがない。


……余程、貰ったことが嬉しかったのだろう。





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