降谷さんとの出会い7 ページ7
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「そうだね。」
「人間誰しも弱い部分がある。あの降谷君でさえ、きっとあるんだ。どうか、Aも彼に寄り添って支えてやってはくれないか。」
私が支える……?降谷さんを?
誰かを助けるのは、強い人間のすることだ。第一、私が何をしても降谷さんには全く歯が立たなかったんだ。
私なんかにその役目が務まるわけない。
下を向いたまま黙りこくってしまっていると、おじいちゃんに頭を撫でられた。いくつもの命を救ってきた大きな手。
私は無条件に与えられる安心感に縋り付いてしまうのが、いつだって怖いんだ。
大事な人を、これ以上失いたくない。
「大丈夫。降谷君はAを受け入れてくれるよ。」
「……うん。」
時が過ぎるのは早いもので、私が降谷さんの部屋に住み始めてから2週間。あの日から計算すると約1か月が経った。
ご飯や家の掃除は大体私がやっているが、洗濯は降谷さんが仕事から帰宅した夜にやってくれている。結婚した夫婦が他人と暮らすのは難しいなどと言うが、きちんと家事の分担をして、お互いに干渉しなければ案外、快適に暮らせるものだ。
おじいちゃんの家と降谷さんの家は近かったようで中学校の転校をしないで済み、外出もとくに制限がなく、夜19時を過ぎる場合は連絡をしろという約束のみであった。
降谷さんがいない今日のような休日の昼間は、以前と何ら変わりなくインターネットに耽ることが出来ている。
「……あ。」
見覚えのあるマフィアのクラン名を見つけ、ネットニュースを漁っていた手が止まった。
アジトの場所が割れたという内容。思わず、私はある人に電話をかけた。
「どうしたんだよ、こんな時間に……」
「ねえ、お母さんたちを殺したマフィアのアジトが割れたって本当!?」
「情報が早え……マジで相変わらず、」
「どうなの!?」
「そうだよ。ゴールデンウィークには俺たちもそのアジトに突入するつもり。」
「私も連れて行って。去年、約束したよね。忘れたなんて言わせないから!」
「あーー、あれね。まだ覚えてたのかよ。別にいいけど、お前まだ14のガキだろ?怪我でもしたら、どうすんだよ。両親も、こんなこと望んでないぜ。」
「私の生きてる意味は、アイツらに復讐するため。その為なら、命だって惜しくない。」
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春 - 更新停止…降谷さんに残業でもさせられてるんですか?() (5月4日 15時) (レス) @page31 id: 50b2221609 (このIDを非表示/違反報告)
ばなな( ?)バナナ(プロフ) - くそぅ、、次はまだないのか……更新いつまでもまってまっせ、赤井さん…|´-`)チラッ (2023年4月3日 6時) (レス) @page31 id: 0b7a4ff9a1 (このIDを非表示/違反報告)
Kaho(プロフ) - うわわわ、、これからって所で、、残念です (2022年11月27日 20時) (レス) @page31 id: 153df11488 (このIDを非表示/違反報告)
Black - 降谷さん尊い…更新してほしいです‼︎ (2022年5月27日 20時) (レス) @page31 id: 45fea12ca1 (このIDを非表示/違反報告)
らら - 更新停止...😭 (2022年4月29日 17時) (レス) @page31 id: 72f8657db1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一 | 作者ホームページ:https://twitter.com/ninoma_e
作成日時:2019年12月1日 21時