全方位から狙われています。【名探偵コナン】３

側にいて４ ページ31

・





私以外の部下や周りの人間はそれを知らない。いや、気づかれないように振る舞っているのだ。でも、頑張ってばかりじゃ疲れてしまう。完璧主義の降谷さんにも、甘える場所が一つぐらいあってもいいんじゃないか。

後ろから回されている降谷さんの手を、私の手で包み込んだ。

「側にいますよ、ずっと。」
「……でもAもいつか、結婚して男のところに行くんだろう？」

唐突に降谷さんの口から「結婚」という言葉が出てきたことに動揺した。そりゃ、いつか結婚したいとは思うけど……相手、いないしなぁ。

「そうですね……いつかは結婚したいです。」
「嫌だ。俺から離れることは許されない。」

抱きしめる力が強くなった。まるで、離すもんかというように。でも、私は降谷さんの言ってることが全く理解できないでいた。別に彼氏彼女でもあるまいし、結婚しても関係は変わらないのでは？

それに！降谷さんは仕事ができるし、イケメンだし、スタイルもいいから、どっちかっていうと私が離れるより降谷さんから離れられそうだけど。


聞き返そうとした時には、降谷さんの頭は私の首元にもたれかかってて、スースーと寝息を立てていた。ここでまた寝るのか。

私も眠たいんだけどな……でも仕事、んーー。散々頭の中で葛藤して今度はうまくベッドから抜け出せた。
一周回って眠くなってきた目を擦りながら朝食を作り始めることにした。





・

強靭なメンタルを持ってそうに見えて、実は寂しがりやな降谷さんであって欲しい。

続く  (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←側にいて３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す