降谷さんとの出会い1 ページ1
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14歳の冬、両親を亡くした。
世間で言う殉死。私の親は警察官だった。
お葬式の日。親戚や両親の職場の人たちに「お母さんやお父さんは立派な人だったよ。」と言われた。何度も、何度も。
立派って何。
死んだら同じじゃない。
立派に死ぬって何。
私を置いていったことには代わりないじゃない。
もう冷たくなってしまった両親に向かって怒ったりなんかできなくて、ひたすら棺桶の前で泣きじゃくった。
お坊さんのお経なんて耳に入らなくて、ただ思うのは「両親を殺した犯人を消し去りたい」
若いながらにそんな残酷なことを考えていた。
それから少し経った14歳の春。
扉をノックする音が三回ほど聞こえて、おじいちゃんの声がした。
「入っていいよ。」
鍵はかけていないので、ガチャリとドアが開く。
音と同時に振り向くと、おじいちゃんの隣に高校生くらいの男性が立っていた。
ものの数秒で理解した。
……ああ、そういえば今日は「親の代わり」が来る日だったな。
「今日からAの面倒を見てくれる降谷君だ。警察学校の首席で、腕は確かだからAも危険な目に遭わないで済む。本当はおじいちゃんが面倒を見れれば良かったんだが、仕事のほうが忙しくてな……すまない。」
「いいよ、おじいちゃん。私のために、ありがとう。」
「おじいちゃんはこれから会議があるから、あとは降谷君と二人で大丈夫か?」
「うん大丈夫。会議がんばってね。」
満足そうな笑みを浮かべておじいちゃんが部屋を出ていくのを見届けた後、私は先ほどまで作業をしていたパソコン画面に向き直った。
おじいちゃんは好きだ。身寄りのない私を快く引き取って、住む部屋やご飯まで用意してくれた。感謝してもしきれない。
でも、それとこれとは話が別だ。降谷とかいう男の人とは関わりたくない。今すぐにでも、帰ってもらおう。
「あの、Aさん。」
「名前、呼ばないでくれますか。それと、早く家に帰ってください。」
これだけはっきり言えば帰るだろう。
そんな甘い考えを持っていた私がばかだった。
私のすぐ近くの机に手をついて、パソコン画面を覗き込んできた。
「それはできない願いだな。さっきから、熱心に調べているのは昨年の冬頃の事件か。たしか、被害者は七瀬……」
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春 - 更新停止…降谷さんに残業でもさせられてるんですか?() (2023年5月4日 15時) (レス) @page31 id: 50b2221609 (このIDを非表示/違反報告)
ばなな( ?)バナナ(プロフ) - くそぅ、、次はまだないのか……更新いつまでもまってまっせ、赤井さん…|´-`)チラッ (2023年4月3日 6時) (レス) @page31 id: 0b7a4ff9a1 (このIDを非表示/違反報告)
Kaho(プロフ) - うわわわ、、これからって所で、、残念です (2022年11月27日 20時) (レス) @page31 id: 153df11488 (このIDを非表示/違反報告)
Black - 降谷さん尊い…更新してほしいです‼︎ (2022年5月27日 20時) (レス) @page31 id: 45fea12ca1 (このIDを非表示/違反報告)
らら - 更新停止...😭 (2022年4月29日 17時) (レス) @page31 id: 72f8657db1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一 | 作者ホームページ:https://twitter.com/ninoma_e
作成日時:2019年12月1日 21時