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過去の記憶を思い返していると、目の前の男性に引き寄せられた。突然のことにそのままバランスを崩し、男性の方へ倒れこんでしまう。急いで離れようとしたが、そうする間もなくすんすんと匂いをかがれた。
恥ずかしさで身体が固まったが、男性はお構いなしに噛み跡を隠していたマフラーをぺらりとめくった。
「やっぱ、ツムの女か。」
「……ツム?」
「あっ、こら!」
私の後ろを視ている男性がさっとマフラーから手を離す。不審に思っていると、今度は何者かによって後ろに引き寄せられた。
後ろを見なくともわかる。侑だ。自分のものだと言わんばかりに後ろからガッチリとホールドされる。まるで身動きが取れない。侑のいかにも子供っぽい行動に男性は呆れ気味だった。
「俺のだから、サムは触んな!」
「別に取る気なんかないわ。そんな貧相なカラダに微塵も興味湧かへんしな。」
貧……相……。
たしかに、胸は小さい方だけど!そんなにハッキリ言う必要ある!?
「……この、巨乳好きが。」
「うっさいな。ないよりある方がええやろ。」
仲が良いのか悪いのか。侑は口を窄めているが、そのわりには結構楽しそうな表情をしている。
顔の良い二人が集まると、必然的にその周りには人が寄ってくるわけで、私たちはすでに注目の的であった。とりあえず、女子の目が怖いので侑には離してもらいたい。
「で、Aはなんで来てくれたん?昨日のことが忘れられんくて、俺に会いに来てもうた?」
「ばっ……違うよ!これ。」
家から持ってきた侑の携帯をコートのポケットから取り出す。それを見た瞬間、呆れた顔をするサム?さんと申し訳なさそうにする侑。
「お前、しっかりせえよ。」
「はは……ごめんごめん。持ってきてくれてありがとう。助かったわ。次から気をつける。」
「うん。渡せてよかった。」
侑にポンポン、と頭を撫でられて、それだけでわざわざ大学まで来た甲斐があったと思ってしまう。
他人に尽くすようなタイプでも無いし、ついこの前まで、侑のことを毛嫌いしていたのにホントにおかしい。どうしちゃったんだろう。まるで、自分が自分じゃないみたいだ。
けど、この嬉しいって感情はホンモノだって信じたい。
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水彩campus - めちゃくちゃ良い作品です!!!侑かっこよすぎ……(ニヤニヤ)更新頑張って下さい!!待ってます(*^^*) (2020年11月29日 3時) (レス) id: d614036431 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - チャイさん» チャイさんありがとうございます。色気ムンムンの宮侑目指して今後も頑張ります……! (2018年11月26日 22時) (レス) id: ca6dbfc4b7 (このIDを非表示/違反報告)
チャイ(プロフ) - 色気に溢れた作品ですね……最高です (2018年11月25日 14時) (レス) id: 26170b8b11 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - manaさん» manaさんありがとうございます!楽しんでいただけて何よりです!更新がんばりたいと思います……!! (2018年11月17日 17時) (レス) id: ca6dbfc4b7 (このIDを非表示/違反報告)
mana - とってもいい作品ですね!これからも応援してます!!!!!!!!!! (2018年11月16日 20時) (レス) id: a616d0f8f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一 | 作者ホームページ:https://twitter.com/ninoma_e
作成日時:2018年11月10日 17時