38.朝の月の丘 ページ4
朝の月の丘はすごく賑やかだ。
鳥の声。
どこかで動物が鳴き、
風が草木を揺らしていく。
そしてその風が立って腰を押さえる彼の髪も揺らしていく……
N「イタタタタ…」
A「カズナリくん、大丈夫?」
その声に顔をあげるカズナリ。
そして、口を開いた。
N「これが大丈夫に見えますか!?夜中から稽古
という名のいじめを受けたんですよ!?」
N「あなたは酒飲んで酔いつぶれて気持ちいいくらい寝てたでしょうけどね!」
N「僕はバテるまで頑張っていたというときに
のんきなもんですね!」
まるでマシンガンである。
その長い言葉をすべて受けたマサキは、わざと胸
をおさえる。
…どうも、彼もマシンガンだと思ったようだ。
M「おーい、そこの神二人ー。朝飯できたぞー。」
そのとき聞こえたジュンの声。
「やったー!」と言って逃げるマサキ。
ブー垂れたままあとを追いかけるカズナリ。
と、その後ろに黒い影が立つ。
N「…何か用ですか。サトシさん。」
後ろを確認せずに問いかけた。
O「…いや。別に。」
低い声で答えるサトシ。
しかし、答えた後、なぜか手をカズナリの頭に乗せた。
そして、少し髪をクシャッとする。
驚きすぎてなにもできないカズナリ。
そのカズナリの耳元に唇を持ってきたサトシは、小さく囁いた。
O「昨日はよかったぞ。お前はいい剣使いにな
る。おつかれ。」
すごく優しく、吐息が耳を撫でるように囁いた
サトシは、肩を軽く叩いてカズナリより先に歩いて行った。
その場にボーっと突っ立っていたカズナリも、ハッとして少し小走りをした。
頬を紅色に染めたまま。
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作者名：成魔さん♪ | 作成日時：2014年7月5日 0時
