神と鬼VS大蛇 2 (ページ28)

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58.雨ページ28

さぁ、神と鬼のところに進展がある前に

二匹の大蛇を引き連れたショウのところを

見てみよう。

今、彼のいるところは雨が降っている。

シトシトと、途切れることなく降り続く。

ショウは二匹の大蛇に守られながら進む。

雨に濡れて髪がしっとりと、

そしてぴっとりと額に張り付いていた。

胸に輝く黒い石は、

満足そうに渦を巻いている。

…おそらくあの小さな蛇を

大きくしてショウに従わせるという、

良い案を思い付いたからであろう。

この石の中にいる何者かは

小さな蛇を大きくすることができるほどの

奇跡を起こすことができるのであろう。

すごい実力の持ち主である。

…それほど、恐ろしく危ない者ということにもなるのだが…

『ショウ、そろそろ着くわ。』

S「わかってるよ…」

彼の瞳の中には、光は入っていた。

灰色の、薄く汚れたような光が。

その瞳が石に心を奪われてしまったという

証拠なのだろうか。

彼はまるですごく壊れやすそうな

ガラスを触るように、

胸の黒い石を触った。

・

森を抜けた。

雨がシトシトと降るなか、

眼下に浮かび上がったのは

雨に濡れてシンとしている

平和な、村。