神と鬼VS大蛇 2 (ページ22)

今日:27 hit、昨日:12 hit、合計:29,891 hit

53.夜のお稽古ページ22

N「はぁっはぁっはぁっ…」

O「…休憩。」

その場に座り込むカズナリ。

額の汗を乱暴にぬぐい、肩で息をする。

木を挟んで向こうには、ジュンとマサキが眠っている。

この日も、辛いお稽古である。

N「はぁ…サトシさん…」

O「なんだ。」

額に髪が張り付いているカズナリは、

涼しい顔して立っているサトシに聞く。

N「なんで…僕だけ稽古しないといけないんですか…」

O「お前がこの中で一番弱い。」

N「なっ…」

ためらいもなく鋭く言われる。

正直痛いところをつかれたカズナリ。

カズナリは、神の中で頭の良さはトップクラスだが

格闘などの体を動かすものは一番下である。

カズナリがマサキと一緒の理由も、仲が良いというだけではなく、

マサキが武器の扱いが上手だからである。

O「今のままでは自分の身さえ守れない。」

N「…」

ー悔しい

敵であるはずだった鬼と約二日共に居ただけで自分が弱いということを知られている。

それがカズナリは悔しかった。

下唇を強く噛む。

しかし、そんなカズナリにサトシは冷たく言う。

O「悔しいと思うのならば練習しろ。

結果が自分の力になる。

…俺を越えてみろ。」

カズナリは顔をあげてサトシを睨む。

そして、そばに置いてあった自分の長剣を手に取った。