貴方が私を｢お姉ちゃん｣と呼んでくれるまで

目覚めてから。 ページ9

お気に入り登録12人&2000hit、ありがとうございます。
※言い忘れていたことぱーと３
夢主ちゃんは左利きです。
────
カヲリが目を覚ましたらしい。

急いでカヲリのいる部屋に行く。

するともうすでに二人の師範がおり、柱のほうの師範がカヲリに謝っていた。

｢ごめん、なさいっ。あなたのこと守ろうとしたのにっ。わ、たしっ。ごめん、ごめんなさい！｣

カヲリはそれを首を横に振りながら聞いている。

多分、気にしなくてもいいということだろう。

ひと段落ついたら、今から毒を使う師範のお説教が始まるだろう。

早く話したいけど、待っていよう。

半刻ほどたち、ようやくカヲリがお説教から解放されたよう。

ああ、やっとと思いながら部屋に行くと、点滴台に繋がれているカヲリがいた。

流石に輸血した程度では血が足りなかったらしい。

血が入っていた。

……部屋に来たはいいものの、話題がない。

お互い無言のままだ。

ふと、思いついた。

ベッドに一人でいると、寂しいんじゃなかろうか。

ベッドの脇の椅子に座る。

お互い無言だが、悪いものではない。

カヲリの頭を、優しく撫でた。

これで少しでも不安が取り除けたらいいな、と思いながら。

今私にできるお姉ちゃんらしいことは、これだけだから。

カヲリが、甘えるように目を細める。

相変わらず無言。

でも、私にとっては至福の時間。

そう思いながら、頭を撫で続けていた。

最終選別。→←※目覚めるまで。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す