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レ「俺からはフリージアで。昔、好きだって聞いたことあるんで」
キ「あ、そーなの？全然知らなかったんだけど。……すみません、めちゃくちゃ在り来りですけど赤の薔薇です」
り「キヨさんは、意味とかあるんですか？」
キ「意味ですか」
ちょっと目を瞬かせて、フッと彼は笑った。
キ「ごめんなさい、結構ちゃんと考えたけど出てきませんでした」
虫「理由は特にないそうでーす」
キ「すみませーん」
カメラに一礼して消えていく2人は、少し話しただけでも分かる、気の良さそうな人達だった。
Aが懐くのも頷ける。
ふと後ろを見ると、愉快な髪色の男たちが神妙な面持ちで並んでいて爆笑してしまった。
り「意外と来んの早いじゃん(笑) 」
俺の声掛けに嬉しそうに笑顔を浮かべたのは、仕事仲間としては仲良くなりすぎた、相馬とへきほーだ。
相「いや、てつやとAの結婚よ？遅刻なんて絶対出来ないって」
へ「めちゃくちゃビビったわ。なんであんな急に？」
虫「わからんけど、なんか収まるとこに収まったって感じじゃない？」
彼らは虫さんの言い分に納得したのか、ウンウンと頷いている。
相「2021年のベストカップル確定」
り「それは間違いない」
虫「それで花は？持ってきた？」
相「当たり前じゃん！」
そう言って2人が手に持ったのは、そこらに生えていそうな雑草だった。
り「ホント期待裏切んないね(笑) 」
へ「花は貰い飽きてるかなって」
相「これ、アレね？雑草魂忘れないで的な意味も込めてるから！」
り「ありがと」
虫「何気に目立つからYouTuberとしては百点ですよ」
相「あ、ホントに？」
誰かしらふざけるとは思っていたけれど、やっぱり期待を裏切らない男たちだ。
り「最高。ありがとね」
手を挙げて歩いていくその姿は、もはや大御所の貫禄。
……なんて思っていたのも束の間。
ヒ「いやぁ、ホントに結婚するんだね」
り「おはようございます！すみません朝から」
虫「おはようございます」
目の前に現れたのは本物の大御所だった。
ヒ「おめでとうございます」
り虫「「ありがとうございます」」
2人で礼をすると、なんだか俺と虫さんが結婚するかのように錯覚して思わず笑ってしまう。
神もさすが神なだけあって、エアシールド着用だ。
虫「カメラいいですか？」
ヒ「勿論！挨拶やっとく？」
り「そんな安売りしていいんですか(笑) 」
遠慮する俺らに、神は祝いの席だからと笑った。
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作者名：蚕虫 | 作成日時：2022年7月10日 4時
