【最初で最後の大博打】てつかむに最高の「結婚式」を贈ります ページ11
青side
し「やぁどうも、東海オンエアのしばゆーと」
り「りょうと」
と「としみつと」
ゆ「ゆめまると」
虫「虫眼鏡だ」
り「ついにやって来ましたよ、この日が」
すでにとしみつは感動して頬を上気させている。まだ、始まってすらいないのに。
虫「僕らホントに半年くらいこの準備ばっかしてたわ(笑) 」
と「途中でAがコッソリ俺に聞いてきたもん。｢もしかして結婚式企画するのって結構しんどい？｣って」
ゆ「俺なんか自分の結婚式もまだなんだからね？」
し「マジでギリギリだった」
口々に文句は言いつつも、皆幸せそうだ。
それはきっと、今日の日が俺らにとっても最高の日だから。
り「ハイ。ということでね、まず今回の結婚式。教会でふざけるのはやり辛いので、人前式にしました。式は俺とゆめまるで仕切りまーす」
虫「披露宴関連は、僕としばとしが担当です」
と「じゃあ、主役呼んじゃう？」
り「呼びましょう！どうぞ！！」
その声と共に、扉が開かれる。そこに立っていたのは、ジャージにボサボサ髪のてつやと、TシャツにジーンズですっぴんのAだった。
て「おはよーございまーす」
『おはようございますぅ』
主役感の欠片もない見た目。おまけに声すら未だ寝起き感満載だ。
り「ほら！今日は2人の結婚式なんだから！ちゃんと立って！」
そこまで言ってようやく、この夫婦は寝ぼけ眼を擦って気をつけをした。
それを確認して、虫さんが声を張り上げる。
虫「ということでね、毎度おなじみのスウィートローゼスクラブ岡崎さんで挙式です！」
て「まぁ、そんな気はしてた」
パーティー会場にはありったけの椅子を詰め込んでもらった。おかげでパツパツの会場は、人前式をするには若干不適切だ。だから。
り「式は、外でやるから」
て「外？！」
2人揃って庭を見るから、少し笑える。
り「そう。誓いの言葉と結婚証明書のサインまでは外で、参加者は立ったまま観覧。そこから中に戻って、披露宴って感じね」
これでもめちゃくちゃ考えたんだ。
やっぱりしっかり教会でやった方がいいかな？とか。
でも、この形が一番、二人らしい気がした。
太陽に焦がれた二人は、太陽の下で誓いあうべきだ。
虫「とりあえず教えられるのはここまで」
ゆ「誓いの言葉……1分ちょいくらいでいい感じの考えといて」
と「ってことで！メイクと着替え！GO！」
『ウィス』
慌てて駆けていくAを、俺はカメラを持って追いかけた。
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作者名：蚕虫 | 作成日時：2022年7月10日 4時
