Blume 3 (ページ7)

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そう言えば、てつやが体調を崩した時もあった。

大雨が降った日に、レインコートを着込んでりょうゆめがチャリで帰る中、私たちはクラスにあった置き傘、それも小さな折りたたみ傘を2人で相合傘して帰ることになって。

てつやはわざわざ私の最寄りまで来て、送ってくれた。

ただ、我が家に着いた頃にはてつやの半身はビショビショで、お風呂に入って行きなよと何度も誘ったのに、彼は頑なに断ってずぶ濡れのまま帰って行った。

そして案の定、次の日、ドブ川みたいな顔色で現れたのだ。

もっと強く言うべきだったと反省して、早退するてつやを家まで送って、そのまま看病したのを覚えている。

あとは高2の文化祭。これも外せない。

漫才をやるから小道具の絵を描いてくれと頼まれて、私は夜な夜なダンボールいっぱいに校長の似顔絵を6枚も書いたのだ。

それをてつやは「やっぱ使わん！」と当日になって言ってきた。

それで私が本気でキレて、1週間口を聞かなかったんだ。

それでりょうに説得されたてつやが、めちゃくちゃ不服そうな顔でクラス全員の前で私に頭を下げて。

それでギリギリで仲を取り戻した。

そう言えば、本当は4、5人で遊ぶ予定だったのに、偶然が重なって2人で映画を見ることになった事もあった。

確か高3の夏休みだ。

映画を見て、ゲーセンに行って、することが無くなって。

それで何故かてつやの家で、小柳津家の晩御飯をご相伴にあずかった。

そこで私とてつやの母が意気投合して、彼女のメルアドを手に入れたんだった。懐かしい。

高3と言えば、本格的に私と柴田が勉強する中で、推薦のてつやは何一つ勉強してなくて、テストで赤点を取りかけた事もあった。

しょうがないから私とりょうで手分けして、私はとにかく彼の頭に英語を叩き込んだのだ。

あの頃は毎日のように昼休みにてつやの教室まで行って、単語を書き取らせた。

あれ？コイツ多分、勉強すれば賢くなるな。と感じたのもその時だったように思う。

そして、何と言ってもやはり、東海オンエアに誘ってくれたことだろう。

彼の誘いを一度は断ったものの、てつやが私を誘おうとしたということに意味がある。

疎遠になっていたのに、面白いことをしようとなった時に、私を思い出してくれたというのが心底嬉しかったのだ。

そして締めは大阪への旅行の旅。これに尽きる。

2人でどこかに旅行なんて、これきりに違いないから。

全てを書き出して、私はふぅと一息ついた。