【大人の本気】竹馬の限界が知りたいのでガチ挑戦します！！！ ページ28
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り「ホントに気をつけてよ？！」
『大丈夫！ギリギリまで足離さずに飛び降りたら、衝撃少ないし！』
虫「倒れるのは前だからね。後ろはだめ」
『はーい』
としみつが150cmを成功した後。ついに私の番がやってきた。
正直、いける気しかしない。というか、いけない訳がない。
ほぼ靴と変わらないし、両足が固定されるスノボなんかよりよっぽど楽だ。
と「棒、引き寄せた方がいいわ、絶対」
『分かった』
素直に言うことを聞いて、私はぎゅうと竹馬を握りしめる。
『いくよー！』
一歩踏み出して確信した。
『ほら！余裕！手離そうか？！』
し「死にてえの？」
り「凄いのは認めるから早く降りて(笑) 」
と「見てるこっちがヒヤヒヤするわ」
皆の説得を聞き入れて、若干悲しくなりつつ地面に飛び降りる。
動画映えするかと思ったんだけどな。
『ね？大丈夫でしょ？』
虫「ホント、Aの運動神経はすごいね」
り「凄いってかほぼ猿じゃん、こんなの」
『なんでそんな貶すの(笑) 』
せっかくちゃんと成功したのに、酷い言いようだ。
そろそろ締めようかという空気の中、体育座りのてつやがポンと手を打った。
て「一応2mも見てみる？」
と「って言うオマエは座っとるだけやん」
て「しょうがないでしょー！怪我してんの！コッチは！」
ブツクサ言いつつも、としみつは先頭に立って竹馬…もとい竹士の足場を動かした。
虫「とりあえずとしみつからいく？」
脚立に登るなり、としみつが「うわ！」と大声を上げた。
と「これ無理だわ。レベルが違いすぎる」
て「リタイア？」
と「当たり前だろうが！オマエ、適当に騒いでただけなのに！」
て「だから怪我人なんだってぇ！」
仲良く追いかけっこをする2人を他所に、私は脚立に足をかける。
『ちょっと貸して』
り「ねぇ、嘘でしょ？(笑) 」
『いけるかもしれん』
心配を超えて爆笑している幼馴染から竹馬を受け取る。
ひんやりとしているはずの棒が、アドレナリンのせいか酷く熱い。
と「は？！マジで？！」
虫「気をつけてよ？……りょうくん、」
り「分かってる。一旦支えるわ」
『うん。いける！』
左脚で蹴って、脚立から大きく離れる。
り「手、離すよ？」
『うん！』
さっきと同じ要領で長い長い竹馬を引き上げた。
2m下で、皆が口を大きく開けて笑っている。
し「やっぱコイツやべぇや」
最高潮のまま、飛び降りたその時。
古傷から、鋭い痛みが全身を駆け抜けた。
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作者名：蚕虫 | 作成日時：2022年6月17日 1時
