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拝啓、嫌な予感をビシバシ感じ取っていた数分前の俺
………いいから逃げろ。
A・テンペスト
食堂に案内されてからしばらくして、シオンが持ってきてくれた料理。
……え?これが料理ですか?!あの、禍々しい紫色……え?何いれたら、いや、どう調理したらこうなるわけです???そもそもこれは食べ物であっているのか?いや、むしろ食べられる食材を使っているの???
クッソ、ベニマルが顔を青ざめていたのはこれが原因か!分かってたなら教えてくれても良かったのに……!と同じく食堂にいながらもこちらを一切見ようとしないベニマルに向けて恨みを込めて視線を送る。
って!ベニマルの隣にいるのハクロウじゃんか!めっちゃ影薄くしているし!!!
ソウエイは……うん、見回りを理由に逃げたな。
やはりみんな、我が身が1番可愛い、か……
「ささっリムル様、A様。どうぞっ」
「「い、いただきます……」」
シオンは悪魔だったかもしれない。
嬉しそうに言うシオンに当然逆らえるはずもない俺は、覚悟を決めてダークマターを口の中に入れた。
「むぐっ!」
なんか後ろから変な音が聞こえたけど、それどころじゃない。
は?何これ???もう食材とか毒とかそういう次元じゃない。不味いとかの味の感想を言う以前の問題だ。
俺は何とか口の中のものを流し込もうとするが、至る所から拒否反応を受け取ったのか中々飲み込めない。
思わず苦しくてしゃがみこんでしまった。
「…シオン」
「は、はい!」
「今後人に出す飲食物を作るときは、ベニマルの許可を得てからするように」
なんかリムルが話しているけど、それどころじゃない。
なんとか、なんとか飲み込もうとするのだけど、やっぱり飲み込めなくて。
その分この世のものとは思えない味をずっと感じなければならないから、吐き出すのを何とか我慢していると、思わず涙が零れた。
とりあえず顔を見られないように机の下に移動する。
が、涙ボロボロ流れていて、ある意味生き地獄のようなものを体験しながらの移動なんてまともにできるわけがなくて。
ゴンッ!!!
「A!!!」
「A様?!」
思いっきり頭を打ち付けてしまった。
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ポッチ(プロフ) - ストーリー、キャラの性格とか全部大好きです‼️無理ない程度で良いので更新再開してくれると嬉しいです。 (6月9日 17時) (レス) @page27 id: bc736021f3 (このIDを非表示/違反報告)
黒椿鬼(プロフ) - とても楽しく読ませていただきました。本当にありがとうございます (2023年4月25日 22時) (レス) id: 45f1efa2ce (このIDを非表示/違反報告)
雪モチ(プロフ) - めちゃくちゃ好きですゥゥゥ!!!更新楽しみにしてます! (2022年9月24日 7時) (レス) @page27 id: 0e13820e35 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (2021年3月20日 13時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
はまぐり(プロフ) - めっっちゃ好きです!(語彙力)続きを楽しみにしてます! (2020年11月20日 10時) (レス) id: fe50b1b3b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:姫林檎 | 作成日時:2020年9月28日 9時