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「私は、静江……井沢静江」

 
シズ……いや、静江さんは、リムルにお願いがあると言った。
この身を存在ごと食べて欲しいと。

 
「この世界が嫌い……でも憎めない。まるであの男のよう……だからこの世界に取り込まれたく、ない……」


リムルに伸ばした静江さんの手は、震えていて。でもしっかりとリムルの上に手を乗っけた。


「お願い……私を、君が見せてくれた故郷の景色の中で……眠らせてくれないかな……?」

「……いいよ」


リムルがはっきりと答えたのを聞いて、静江さんは涙を流し笑った。


どうか、どうか安らかに。



─────



その後、静江さんの遺言通りにリムルは捕食者を発動して、その体の中に静江さんを取り込んだ。

そしてリムルの体がだんだんと、人の形をかたどっていく。
唖然とする俺の前には、どこか静江さんに似た姿のリムルが涙を流して立っていた。


「………とりあえず、服着ようか」

「あ、俺全裸じゃねーか!」

「まぁ、スライムだったのだから仕方ないんだけどね」


リムルの体を一瞬のうちに見てしまったことはとりあえず水に流すことにした。
うん、とりあえず男じゃないなとは分かってしまったけど。ごめんリムル。

身近に服が無かったので、ひとまず俺の戦闘着の上着を手渡す。身長が小さかったからか、上着だけで膝上まで隠れてしまった。


「あ、いい感じ!」

「これが噂の彼シャツってやつか……?複雑なんだけど……」

「え、ごめん。他の人の借りてこよっか…?」

「あああ!いや!そういう意味じゃなくて!」


そんなに俺の上着着るの嫌だったかな……
まぁ殆ど毎日着ているから、もしかしたら汚いって思われていたりするのかな。

……今までは防御力が1番高いから戦闘着着ていたけど、これからは少し考えるべきかもしれない……?

そういえば、カイジン達が服を作ってくれるって言ってたし、お願いしようかな……?

なにやら慌てた様子のリムルが何か言おうとした時、外からざわめきが聞こえた。


「リムル様、失礼します」


そして、リグルドの声が聞こえたと思った次の瞬間には、テントのカーテンが開けられてきた。


「え……」


一緒にここまで来たのだろう、カバル達3人組が驚きの声を上げた。

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ポッチ(プロフ) - ストーリー、キャラの性格とか全部大好きです‼️無理ない程度で良いので更新再開してくれると嬉しいです。 (6月9日 17時) (レス) @page27 id: bc736021f3 (このIDを非表示/違反報告)
黒椿鬼(プロフ) - とても楽しく読ませていただきました。本当にありがとうございます (2023年4月25日 22時) (レス) id: 45f1efa2ce (このIDを非表示/違反報告)
雪モチ(プロフ) - めちゃくちゃ好きですゥゥゥ!!!更新楽しみにしてます! (2022年9月24日 7時) (レス) @page27 id: 0e13820e35 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (2021年3月20日 13時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
はまぐり(プロフ) - めっっちゃ好きです!(語彙力)続きを楽しみにしてます! (2020年11月20日 10時) (レス) id: fe50b1b3b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:姫林檎 | 作成日時:2020年9月28日 9時

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