【題名変更】戦闘特化なのにあんまり戦ってない気が…… (ページ5)

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目の前にいるドラゴンをみて、ようやく俺は確信した。

ここは間違いなく……異世界だと！！！

どこからか「いやおせーよ」と聞こえた気がしなくもないけど、これでも望みは持っていたのだ。
実は俺に幻覚の術かなにかかけられていて……とか。

でも目の前のドラゴンを目の当たりにして、これは術では難しいと判断した。

あとは単純に、こんなの日本に居られたら困るわなと、遠い目をしてしまった。

(おい！聞こえているだろう？返事をするが良い！)

き、聞こえてますよ！ちょっと思考回路が宇宙にトリップしてしまっただけで！
そんなにプリプリ怒っていたらストレスで般若になりますよ？俺の本丸にも沢山いたなぁ、般若。

(うっさい、ハゲ！)

え？ハゲ？
俺は返事をしていないので、他の誰か……と辺りを見渡して、ドラゴンの他には水色のスライムしかいないことに気が付いた。
え？もしかしなくても、ハゲってこのスライムが言ったんですか？

どうやら本当にこのスライムが言ったらしく、ドラゴンとスライムが話しているのを傍で聞いていた。

そしたらなんと！新事実が発覚！
スライムは元は人間だったらしく、通り魔に刺されて死んだと思ったらスライムになっていたらしい。

というか、『刺されて』……？

「俺と似たような状況ってこと……？」

あっと思った時には既に遅し。
思わず思ったことが口から漏れていて、ドラゴンとスライムの会話がストップしてしまった。

(ん？俺以外にも誰かいたのか？)

(……似たような状況とはなんだ)

ドラゴンから言えという圧力を感じた俺は、刀剣男士やら歴史修正主義者やらという単語を出さないように十分注意しながら、言葉を選びつつ説明をした。

その結果。

「えっと、俺もスライムさんと似たような状況で死にました。違うところは、俺は1人に刺されたのではなく、6人(人？人でいいのかな？)に刺されたり切られたりして死んだということくらいですかね」

めちゃくちゃアバウトな説明になってしまった。何一つ大切な事を言えている気がしないけど、俺の少ない語彙力だとこうなってしまったのだ。許してください……！

だからなんか、無言の重たい空気になるの、やめませんかね……？

◇◆◇◆

審神者という職場は、恐らく国家秘密。
当然刀剣男士やら歴史修正主義者やらという存在は公にしてはいけない。

いくら異世界だろうとも、そのあたりの守秘義務はきちんと守ろうとするAさん。