【題名変更】戦闘特化なのにあんまり戦ってない気が…… (ページ39)

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他の集落のゴブリン達が近くで滞在を始めてから、数日が経過した。

勿論タダで滞在を許す訳には……ということもあり、俺は500人くらいいるゴブリン達に簡単な仕事を割り振り当てて、また彼らの総司令官として走り回っていた。

良かった。リグルドがもう俺の指示無しでも1日集落をまとめられるくらいになってくれたから、その分俺はゴブリン達に集中出来て。
とは言ったものの、進化していないゴブリン達に出来ることは限られているので、主に単純作業やこちらの集落のサポートを主にお願いしていた。

そして相も変わらず、休憩時間なのだろう時間になると、「A様ー！」と呼ばれるので、意外としっかり休憩時間が取れていたと思う。
この時間じゃないと『初心者からでも始めよう！実践講座！』で教えられないので、今になって休憩時間の有難みを感じてきた。
感謝の意味を込めてリグルドにお礼を言ったら、何故か複雑そうな顔をされてしまったけど。

え、なんでですか？？？

まぁとりあえず、順調に集落で生活を続けられていて、遂にリムル達がドワルゴンから帰ってきたようだ。
何処からか「お帰りなさいませ！」「リムル様ー！」と大歓声が聞こえてくる。

「A様！リムル様がご帰宅なさいました！」

「わざわざありがとうございます」

そのまま「どうぞリムルの所まで行ってください」と言わんばかりに手で動作されたので、講座を一旦止めて、俺は歓声の上がる方向に進み始めた。

……正直な話、リムルと1週間も離れるのは不安だった。
この世界に来てから、ずっとそばにいてくれた存在が離れた場所にいるというのは、俺が思っていた以上に堪えていたようで。
今すぐにでも駆け出して会いたい気持ちを必死に抑えながら、平然を装って集団に近づいた。

……なんでリムルは胴上げされてるんだ？
ゴブリン達の行動の意味が全く分からないでいると、ふと、高く体を持ち上げられたリムルと視線があった。
かもしれない、では無く、バチッと視線があった。

「Aー！ただいまー！」

なんだかいつもよりテンションが高そうなリムルが、ぴょーんと腕の中に飛び込んできたのを抱える。

なんだかその動作でさえも懐かしくて。
腕の中にある重みが、本当に久しぶりで。

「……おかえり、リムル」

なんだか無性に泣きたくなってしまった。