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「………家とは呼べないな」
「お恥ずかしい話です…」
さて、リムルも完全復活した今、本格的にこの集落で過ごすために、色々とやることが山積みだ。
ご飯に関しては殆ど問題ないのだけど、問題があるのは、家と服だ。
大工に関しては素人の俺でも分かる。あれは、家ではない(断言)
とか言っている間に、風が吹いて家が崩れ去った。うん、あれは家では無かった！
そして服だけど、どう見ても心許ない。リムルがゴブリナの服と俺の戦闘服を交互に比べながら、「………うん、露出が酷すぎるな」と頷いていた。
いや、布1枚と比べられても……というのが俺の本音だ。
どうにかして調達とかは出来ないのか？とリムルがリグルドに尋ねると、リグルドは何かを思い出したように声に出した。
「そういえば、何度かやり取りのしたことがあるドワーフなら、そのあたりの技術を持っているかもしれません」
「ドワーフ！」
最終的にリムルは、衣食住の衣と住を揃える為にドワーフの国、ドワルゴンへと向かうことを決めていた。勿論、俺もその案には大賛成である。
「……で？どうするか？俺かA、どちらかは残った方がいいと思うが……」
「あー、もし良かったら、リムルがドワルゴンに行ってくれないかな」
恐らく……というか、ほぼ確実にリムルの前世は成人済み、それも社会人だと俺は思っている。
学生にしてはしっかりし過ぎだからね！
それに対して、一応刀剣男士だった俺だけど、最終学歴は残念ながら高卒だ。刀剣男士の時も、会議の時とかに近侍だったのは初期刀がほとんどだったし、ぶっちゃけ交渉とかそういった方面は向いていない。
脅しなら出来るんだけど……
「なんでか聞いてもいいか？」
「………俺、前は学生で、社会で働いた事がなくて……」
「えぇ？！そうだったのか！？」
「あれ？言ってなかったっけ」
「Aの前世での死因しか聞いてなかった」
「あれ？？？」
そんなわけで、無事にリムルが交渉しに行ってくれる事になった。ありがとう。その代わりにこの集落ではしっかり指揮をとって待ってるから！
そしてリムルはというと、完全に俺の方が年下だと判断したのか、なんだかお小言が増えた気がする。
「いいか？もし敵が襲ってきたら牙狼族の時のようにするんだ。話し合いも無理なら、問答無用でいいからな。手加減はするな」
「はーい！」
あれ？俺は子どもかな？？？
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作者名：姫林檎 | 作成日時：2020年9月23日 12時
