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「あー、とりあえず聞いてください！」
1人納得している訳にもいかず、俺はリムルの代わりに声をかけると、ピタリ……と面白いほどに誰も話さなくなった。
「リグルドさんに聞きましたけど、どうやらリムルは魔素切れの状態らしいです。合ってますか？」
「は、はい」
「ありがとうございます。でも見た感じ、リムルに何か命の危険があるように見えないので、ひとまずは落ち着いて欲しいです」
うん、つまりは魔素が足りずにスリープモードのようなものになっていると見た方がいいかな。スマホとかの充電が無くなりそうな時に、起こるやつみたいな。
リグルドにまた聞けば、魔素がまた貯まれば目覚めるということなので、今のところはリムルを俺に任せて欲しいとみんなに伝えた。
「あ、あのA様！リムル様のお世話なら我々が請け負いますが……」
「ありがとうございます。でも皆さんには他に、これから生活するために様々なことをしてもらわなければなりません。そのためには皆さんの一人一人の力が大変重要になってきます。リムルの世話なら俺一人でも出来るので、大丈夫なら任せてもらえると嬉しいです！」
「そんな！我々をそこまで重要視して下さるなんて……！」
あ、いや単純に、リムルの世話をするってなると、どう見ても何人もの魔物が駆り出されるだろうと思って、それなら他のことをやって欲しいと思っただけなんだけど……
それにリムルなら籠のようなものに入れれば大丈夫でしょ！それなら俺も指揮取れるし！
うん、それがいいね！
「ええっと、残りの牙狼族にも名前を付けた方がいいですか？」
「A様。我等は全にして個。同胞は皆、繋がっているのです。故に、我が名は今より種族名となったのです！」
「え、そうなんですか？」
「ハッ！ そして我等はこれより我が主、そしてA様に命を懸けて忠節を誓うと改めて決めました！！」
「う、うん…？」
あれ？名前を付けたリムルはともかく、俺にも忠誠を誓うの？
戸惑ってしまったけど、なんだか嵐牙達が嬉しそうだから、とりあえずはいいやと未来の自分に丸投げをした。
聞き間違いかもしれないしね！そういうことにしておこう。
「じゃあ、とりあえずリムルが起きるまでの間にやることは────」
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作者名：姫林檎 | 作成日時：2020年9月23日 12時
