【題名変更】戦闘特化なのにあんまり戦ってない気が…… (ページ24)

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ウォォオォォォォン

　
何処からか遠吠えが聞こえた。
　
　
「あ！き、来たっ来たっすよ！牙狼族っす！！」
　
　
木の上で見張りをしていたゴブリンが声を上げる。
俺はなるべく気配を消しながら、弓部隊のゴブリンと共に遠吠えが聞こえた方向に視線を向けると、確かにそこに、昼間見かけた狼姿の牙狼族がいた。

　
「そこで止まれ。」
　
1番前に出ているリムルが静かに牙狼族に声をかける。
すると、牙狼族の方から声が聞こえた。
　

「オヤジ殿、あの者です！例の…」

「お前が見たと言う異様なまでの妖気を放つ魔物共のことか？くだらん、只のスライムではないか！」

……なんというか、小物感が凄い。
あれだ、テレビとかで出てくる雑魚キャラ。
そんなことを思いながら、俺は弓部隊に合図し、何時でも攻撃態勢が取れるように構える準備をする。

「一度しか言わないからよく聞け。このまま引き返すなら何もしない。さっさと立ち去るがいい。」
　
リムルが最後の警告をする。これで牙狼族が攻撃してきたら、弓を放つ事になる。
頭の目はゴブリン達が作った柵をむいていた。
　

「オヤジ殿！」

「人間の村によくある柵か。スライム如きが生意気な！お前たち行けっ！」

「放て」

ボスの牙狼族の命令で数匹の牙狼族が飛び込んでくると同時に、俺は弓を構える。そして1番素早く動きそうな牙狼族に向かって矢を放った。
勿論俺は命中し、ゴブリン達も下手くそながら牙狼族を捉えることが出来たものもいた。
それでもすり抜けた牙狼族には、俺が素早くまた矢を放ったり、リムルが張っていた綱糸に引っかかって血を流している。
無理矢理にでも突破しようとする牙狼族には、俺が直々に矢で仕留めてあげるから、この集落を襲うことはまず不可能だろう。

牙狼族達が、例えば数匹のグループで襲うとか、多少の知恵を使えばまだ勝機はあったかもしれないのに。

ゴブリンと、スライムが相手だと舐めた態度でいたのが敗因だね。

苛立つように唸り声をあげるボスの牙狼族に、俺は冷たい視線を送った。

油断大敵……ってね。
　