店主と騎士は研究者と戯れる�� ページ28
ここは王城の一角にある国が管理する研究施設。
主に食糧問題を起こさないために事前の予防策として作物の品種改良を行っている。
それ以外にも製薬やまだ未知数である人体の解析も行われている。
倫理に配慮したスマートな研究が重視され、いずれ世の役に立つ研究を推進している尊い場だ。
現人神の職務は基本的に暇である。
カオスは気が向いたときに交代を申し出てくるが、今回は現世に興味がないのか声掛けがない。
そんな中フィンクス・ゼン・ライゼルから是非研究室に来てほしいとのお誘いがかかった。
フィンクスはこの国で行われていた穀物の研究に興味があるようで、俺もそれなりに詳しいと耳にしたらしい。
一体どこ情報なのかと思ったらグウェンダルの仕業だった。
どうせ暇だし、フィンクスが是非俺が行っている知識を知りたいというから研究室の一室を借りて俺得講義を行うことになったのである。
「アルマ・フォン・ヴィクトリアよ。」
「はっ！」
「君は酒とは、酒という概念はなんだか理解しておるかね。」
急に始まった俺の茶番をアルマは酒場のノリで忠実に「理解しておりません！」と控えめな大声で答える。
アルマなど歯牙にもかけない風に座っていたフィンクス殿下がちょっとびくついた。
「酒とは、エタノールが含まれた飲料の総称だ。抑制作用を有するため人間が飲むと酩酊を起こす。そも、抑制作用とはあらゆる脳の領域で覚醒や刺激を減少させるか、抑制させている状態を指すがそこは割愛しよう。医学領域ではなく今は穀物の話だからな。」
「エタノールと言えば引火点が低く燃えやすいアルコールですね。医薬品や燃料、食品添加物にも含まれます。」
「常識問題だ。」
いや興味がなきゃ知らない方が多いだろう、と態々補足を入れたフィンクス殿下が眉間にしわを寄せる。
うるせぇ。酒の事も知らんで酒場などできるか。
それは酒好きではなくただの飲兵衛だ。
飲んだくれと商売を一緒にするな。
「酒自体は多種多様な原料で製作されるが、大きく三つに分けられる。穀物、果物、イモ類だ。これらの他にも栗やサトウキビ、樹液や乳に蜂蜜といった変わり種もあるが大部分は三つに分かれる。今回は植物の話だから細かい製法や飲み方については割愛するが、要はこの三つの作物が発展すればするほど酒の幅が広がる。」
「ものすごく単純に捉えればそうですね……。」
若干遠い目をし始めたアルマが苦笑いで頷いた。
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午睡(プロフ) - crankyさん» ご感想ありがとうございます！頑張って更新してまいりたいと思います！ (2019年8月20日 21時) (
レス) id: c737663614 (このIDを非表示/違反報告)
cranky(プロフ) - めっちゃ大好きな作品です！(*'ω'*)更新楽しみにしてます！ (2019年8月20日 20時) (レス) id: c56a3e73e6 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - 由亞-ゆあ-さん» ご感想ありがとうございます！更新の励みになります…！ (2019年8月19日 17時) (レス) id: c737663614 (このIDを非表示/違反報告)
由亞-ゆあ-(プロフ) - 年下×年上の .. ﾄﾞｽﾄﾗｲｸです .. * 2人が、繋がるのが待ち遠しいです♪これからも更新頑張って下さい！ (2019年7月22日 17時) (レス) id: 5570d39ba6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年4月6日 18時
