店主と騎士と商人と研究者と�� ページ15
いつになく瀟洒にかつ優雅に俺をサポートするアルマにお前もしかして騎士じゃなくて執事とかの方が向いてるんじゃないか？と本気で思い始めた帰還パーティーの中盤。
ワインよりも粗く雑多なエールが飲みたい、とアルマにわがままを言って困らせている最中に一人の男がやってきた。
一瞬誰だっけ？と首をかしげているとアルマにこっそり耳打ちされる。
「森の国第二王子、フィンクス・ゼン・ライゼル様です。」
「ああ、隣国の。」
「先程ご挨拶しておりましたよ。近年は作物の品種改良で目まぐるしい成果を上げているようで、周辺国から研究者、技術者としても一目置かれています。」
「なるほど。」
素早い耳打ちにより相手に聞かれる前に何者だか把握できた。
お断りする見合いとはいえ期限が設けられている上に余計な軋轢を生まないように穏便に済ませよ、とお父様から命が出ている。
正直面倒くさい以外の何物でもない。
アルマが優秀でなければすぐさまパーティーなど抜け出していただろう。
「退屈そうにしていますね、ギルバート殿下。」
「そう見えているのであればご不快な思いをさせてしまい申し訳なかった。私としては楽しんでいるつもりだ。」
「そうですか……お隣の騎士様、ヴィクトリア家のご子息でしたっけ。」
「婚約者のアルマだ。」
結婚している、と言えないのが立場というものだ。
本当に結婚式を挙げるには各方面への挨拶とヴィクトリア家と王家のあれやこれやの処理と……。
……何を考えているのだ俺。
しっかりしろギルバート・コーネリアス・アーサー・クロウリー。
アルマと結婚？ナイナイ。
あり得ないってマジで想定の範囲外だ。
「婚約者であればまだ私にもチャンスがありますね。」
グイッとアルマに詰め寄った。
これはあれか。アルマに対して宣戦布告という。
ふむ、俺への気持ちを最大限に表しつつ奪ってやりますアピール。
乙女や姫君であれば良かったものを、相手はこの俺である。
ダウンタウンの荒くれ者がその程度の寒い愛情表現に陶酔するわけがない。
ちょっとその節穴に眼球詰めてから出直してこい。
「油断しないようにしてくださいね。アルマ君。」
「お心遣い感謝します。フィンクス殿下。」
屈強な騎士であるはずなのに深窓のご令嬢かのようにたおやかに微笑んで見せるアルマにフィンクス殿下は少し面食らったようだ。
ちょっと顔を赤くしている。
撃退されてはざまぁない。
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午睡(プロフ) - crankyさん» ご感想ありがとうございます！頑張って更新してまいりたいと思います！ (2019年8月20日 21時) (
レス) id: c737663614 (このIDを非表示/違反報告)
cranky(プロフ) - めっちゃ大好きな作品です！(*'ω'*)更新楽しみにしてます！ (2019年8月20日 20時) (レス) id: c56a3e73e6 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - 由亞-ゆあ-さん» ご感想ありがとうございます！更新の励みになります…！ (2019年8月19日 17時) (レス) id: c737663614 (このIDを非表示/違反報告)
由亞-ゆあ-(プロフ) - 年下×年上の .. ﾄﾞｽﾄﾗｲｸです .. * 2人が、繋がるのが待ち遠しいです♪これからも更新頑張って下さい！ (2019年7月22日 17時) (レス) id: 5570d39ba6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年4月6日 18時
