思い悩む若造騎士�� ページ44
勅令。
それは絶対君主であらせられる国王陛下から賜る絶対命令。
断ることなどハナからできようもない代物。
俺だって国王陛下からの直々の命令を給われる名誉、その誉を誇りに思う。
けれど今回ばかりは酷く、断りたい気分にさせられるものだった。
「どうしても、俺でなければダメでしょうか。父上。」
「お前にしか頼めぬ仕事なのだ。」
いつもの騎士団の詰所へ突然伝令の早馬が訪れ、父上の呼び出しを受けた。
ツヴァイン・フォン・ヴィクトリアといえば軍神と名高い、周辺諸国に恐れられる猛者。
父上はとてもお優しく、基本甘やかして育ててくれた。
今まで俺がギルさんと出会ってから絶対に所属したくないと言っていたとある部署に決して回らないように密かに尽力してくれた。
今までわがままを言っていた分、他のことで恩返しができるのならどんな命令でも受けようとは思っていた。
でも、勅令を使ってまで出された命令はあまりにもあんまりだ。
「ご留学から帰還される第一王子近衛隊隊長なんて、俺に務まるはずがありません！！」
数年前に留学した第一王子が突然、ご帰国なさるというのだ。
前もっての連絡もなくつい最近突然。
なぜそんな事になったのかはご家族であろう王族にしかわからない事だが急遽第一王子が王城で何不自由なく過ごせるように、護衛とお付き、従者や女中の選定が開始された。
その中でも最も重要な近衛に関しては第一王子たっての希望でたった一人に絞れと。
任命権は全てにおいて父上に委ねられ、勅令とすると。
それにしたってそんな面倒ごとをわざわざ息子に割り振るだろうか。
「第一王子と年齢が近く、実力も申し分ないのはもはやアルマ、お前しかおらぬ。分かっておくれ。」
「嫌です！俺は想い人だけの騎士になるともう決めてしまいました！守るべき市民ならいざ知らず特定の誰かにこの命、この剣を捧げるなど絶対に嫌です！」
「そうは言ってもお前以外に頼める人員がおらん。」
「父上とて"国王陛下でなければ浮気と認め実家に帰らせていただきます。"と母上に言われていたではありませんか！！」
「それ言われると弱っちゃうんだけど…。」
マリアに似て頑固に育っちゃったなぁ…と困り顔をする父上の頼みでも絶対に受け入れられない。
マリア・フォン・ヴィクトリア、母上の純愛の教えに背くなどできようはずもない。
俺はギルさんのことを真剣に考えているのだ。
護衛が殿下といえどこれだけは譲れない。
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午睡(プロフ) - 空弥さん» ご感想ありがとうございます！早めの更新を心掛けて頑張ります！ (2019年2月26日 19時) (
レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - ナッツさん» ご感想ありがとうございます！とっても励みになります…！ (2019年2月26日 19時) (レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 絡みがすごく可愛らしくて好みです……！作者様のペースで更新頑張ってください、応援してます (2019年2月24日 13時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - 好きです!!!最高です！続きめっちゃ気になります！更新楽しみにしてます!!!!!!! (2019年2月24日 3時) (レス) id: 7b2bfdb44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年2月18日 19時
