若造騎士の贈り物II ページ29
ダウンタウンではイヤリング、もしくはピアスは女性に贈る最大級の独占欲の表れ。
欲しくて止まない相手に贈る甘美な鎖。
「一対の片側をお互いにつけて愛を確かめ合うっつう誰かが考えたお遊びだァ。知ってた？」
「知ってました。」
「へぇ？んじゃ聞くわ。お前は俺のことさ。」
オンナにしてぇの？
俺の全身を駆け巡る感情を言葉にするならばそれは歓喜だろう。
ギルさんが俺の女だったらそれはさぞ気分が良い。
けれどそれは違う。
ギルさんを女として扱いたいわけじゃない。
それよりもっと上がある。
「違いますよ。それじゃあ生温いです。」
俺だけのモノに、したいんですよ。
手に持ったままだった片側を奪い取って俺の空いた片方につける。
手持ち無沙汰になったギルさんの片手につけていなかった俺の片側を手渡した。
しばらく呆然としていたギルさんがハッと気がついたかと思うと突然笑い出した。
「ククク…クックッ…そりゃあいいや！ああ！いい！お互いに交換すりゃあお互いのものだ！最高だなぁ！」
「ええ。だからお付き合いしてください。」
「調子乗ってんなァ。」
イヤリングは片側に家紋、片側にそれぞれの瞳の色を宿した石を埋め込んである。
俺はギルさんの色、ブラックダイヤモンドが埋め込まれた片側と家紋。
ギルさんは俺の色、ネオンブルーのアパタイトが埋め込まれたモノを片側に家紋もきちんとつけてくれた。
お揃いのジュエリーをプレゼント出来て調子に乗った俺がお付き合いをいつものように申し込むとデコピンを食らう。
地味にとても痛い。
「まぁだダメだ。でも今日は気分がいい。明日、楽しみにしとけよ。」
「ええ。楽しみにしてます。」
ウィンクを飛ばしたギルさんはとても可愛い。
その片側に光る俺の瞳の色が思いの外似合っていて、ちょっと感動した。
いつか俺がつけているネックレスと同じものをその胸につけて欲しい。
まだまだ先の話になるかもしれないけれど。
「ところで俺とお前どっちが主人でどっちが犬ダ？」
「ええ！？お互いのモノって主従関係なんですか！？犬！？ペット！？」
「俺を犬にできるチャンスだぞォ？」
え、え！え！？
いやいやいやいや！！
ちょっといいなとか思ったけどダメだ俺！
「犬なら俺の方です！？」
「冗談だァ。」
泣きべそかきはじめた俺をギルさんが笑った。
冗談にしては声のトーンが本気過ぎる。
そんなギルさんもどんなギルさんも俺は愛してるけど！
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午睡(プロフ) - 空弥さん» ご感想ありがとうございます！早めの更新を心掛けて頑張ります！ (2019年2月26日 19時) (
レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - ナッツさん» ご感想ありがとうございます！とっても励みになります…！ (2019年2月26日 19時) (レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 絡みがすごく可愛らしくて好みです……！作者様のペースで更新頑張ってください、応援してます (2019年2月24日 13時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - 好きです!!!最高です！続きめっちゃ気になります！更新楽しみにしてます!!!!!!! (2019年2月24日 3時) (レス) id: 7b2bfdb44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年2月18日 19時
