酒場の店主と幼い騎士�� ページ27
騎士の努力は人に知られず、けれど毎日積み上げられていくものだ。
誰に褒められることもなくお互いに切磋琢磨し合いながら日々を過ごしていく。
戦で誉を挙げる様な時代ではなくなったからこそ影の努力は日の目を見ない。
「平和が一番ですし俺たちにとって民を守れるなら訓練もやる気になります。アルマ隊長はそう思わせてくれる人っす。だからみんなついていくっす。」
隣国との戦闘で武勇を誇った戦神を父に持つ彼は平和をうたう聖女の母に優しく育てられ、心から平和を願い守る強さを持つ立派な青年になった。
王国の王子様より王子様らしい彼は人気も高く信頼も厚い。
「掃き溜めに住む俺にゃぁもったいないほどの相手だよなぁ…。」
「そんなことないっす。」
セシリアのまっすぐな瞳がくすぐったくなった。
騎士団の中で俺とアルマの関係を知っているのはロゼとセシリアだけだ。
きっと感づいているけれど黙ってくれている人が多いのだろう。
それぐらいアルマは分かり易かった。
「恋愛は自由だ、なんて博愛主義者みたいなことは言えないっすけど。アルマさんにとって生涯を共にしたいと思った相手がギルさんだったってことはきっと運命みたいなものなんっす。」
「運命とはまた大きくでたなァ。」
「ギルさんは自分と身分が合わないからってアルマさんを振れるんっすか？」
何をバカことを。
「俺があんな面白いオモチャ手放すとか、万に一つもあり得ねぇわァ。」
俺だけを見つめるあの暑苦しい視線が他に向くなど許さない。
欲しいものはどれだけ残忍でも暴虐でも糾弾されても奪い取る。
アルマは俺のモノだ。
「…隊長は凄い幸せ者なんだってちょっと羨ましくなったっす。」
「俺はオモチャ一つ手に入れたら他に目移りしない主義なんだ。他を当たりなァ。」
「あー！俺もこんな恋人がほしいっす！！」
「いや別に俺アルマの恋人じゃねぇシ。」
ガコンッと音を立ててエレベーターか最下層へ到着した。
ゆっくりと開いていく扉が完全に開くのを待って街へと出る。
太陽のない人口の灯だけで彩られる街がとても落ち着く。
セシリアはダウンタウンが初めての様でせわしなくソワソワ。
住んでいる奴らが最低でも掟のお陰で見てくれだけは綺麗な街並みだ。
「ここからは俺から離れるなよォ。お若い騎士様？」
「あれ…俺が護衛なんっすけど…。」
「あっはっは。」
「ちょっとー！」
早くアルマが来ないかな。
来たら沢山揶揄ってやろう。
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午睡(プロフ) - 空弥さん» ご感想ありがとうございます！早めの更新を心掛けて頑張ります！ (2019年2月26日 19時) (
レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - ナッツさん» ご感想ありがとうございます！とっても励みになります…！ (2019年2月26日 19時) (レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 絡みがすごく可愛らしくて好みです……！作者様のペースで更新頑張ってください、応援してます (2019年2月24日 13時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - 好きです!!!最高です！続きめっちゃ気になります！更新楽しみにしてます!!!!!!! (2019年2月24日 3時) (レス) id: 7b2bfdb44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年2月18日 19時
