酒場の店主と幼い騎士�� ページ26
「セシリア・ランフォードっす！よろしくお願いします！ギルさん！」
「ああ。よろしく。」
「ロゼてめぇ！！」
「あーはいはい、隊長はお仕事ですからねー。んじゃセシリア。後は任せた。」
「はい！護衛任務拝命いたしました！騎士として精一杯務めさせていただきまっす！」
夕刻近くなった空を見上げる午後四時頃。
酒場の開店準備がある俺は日が落ちる前にダウンタウンに帰ることとなった。
酒場まで送り届け、ついでに飲み始めようとしたアルマはロゼに止められ、不満たらたらだ。
仕事が残っているアルマはすべて終わらせてからでないと明日の業務に支障が出るらしい。
「アルマ。また後でな。」
「はいぃ…また後で…。」
「俺も後で行きます。」
「ああ。ロゼとアルマの分の夕食を用意しておこう。お代は頂くけどな。」
「お願いしますぅ…。」
盛大に落ち込んだアルマに苦笑いをこぼしてさっさとダウンタウンへ歩いていく。
駄々をこねた所為で結局ダウンタウン入り口まで追いかけてきたんだからいい加減仕事に戻ってやればいいのに。
ロゼが疲れ切った顔をしている。
俺が原因でもあるので今日の夕食はちょっと頑張ろう。
アップタウンへ行く道は各地域に二つしかない。
長い長いエレベーターに乗るか上が見えない絶望的な階段を上るかだ。
エレベーターは一定条件で停止される可能性があるので日を考えないと階段を使うことになる。
今日は停止される日ではないので問題なく使えた。
静かな空気が狭いボックスの中を支配する。
気まずくてこちらから声をかけた。
「セシリアはあの隊で一番若いんだってな。」
「うっす。まだ入隊して一年っす。厳しいですけどみんな暖かくて騎士団の中では人気の隊っすよ。」
アルマの厳しさはむやみやたらなものではない。
あの隊に入った者はどれだけ弱い者でも強くなるとの噂があるらしい。
それよりも鬼教官っぷりの方が有名なので最初はビクビクした、とセシリアは笑った。
「今日は特に厳しかったっすけど、たぶんギルさんがいたからっすね。」
「やっぱり迷惑だったか。」
「いえ！そうではなく！…アルマ隊長が言ってたっす。"部下を自慢したい"って。」
自分が一から育て上げた部下を俺に自慢したかったとアルマは語ったという。
厳しい訓練を課している自覚はあるようだ。
誰もが音を上げる訓練についてきてくれる部下が行う、一般人には見えない影の努力。
それを見てほしかったのだと。
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午睡(プロフ) - 空弥さん» ご感想ありがとうございます！早めの更新を心掛けて頑張ります！ (2019年2月26日 19時) (
レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - ナッツさん» ご感想ありがとうございます！とっても励みになります…！ (2019年2月26日 19時) (レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 絡みがすごく可愛らしくて好みです……！作者様のペースで更新頑張ってください、応援してます (2019年2月24日 13時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - 好きです!!!最高です！続きめっちゃ気になります！更新楽しみにしてます!!!!!!! (2019年2月24日 3時) (レス) id: 7b2bfdb44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年2月18日 19時
