酒に飲まれぬ酒場の店主�� ページ19
アルマは「デートに行きたい」発言をした晩から時折誘い文句を言うようになった。
そんなに俺とデートに行きたいのか全くその感性を理解できないが、アルマとのデートとやらは確かに面白そうだ。
けれどココはダウンタウン一ヤバいやつが頭を張る危険区域。
ダウンタウンの決まりを破ったものはたとえ誰であろうと容赦しない。
秩序がないならば異常ともいえる決まりで縛り付けるのがダウンタウン流だ。
アップタウンに知り合いやら恋人やらがいるなんて俺の情報の中にないだろうし例外適応外だ。
いや、俺が一言いえば外に出られるけど俺とアルマの関係を説明をするのがすこぶる面倒くさい。
腐れ縁のアイツが一目でもろもろの心情を見抜いて茶化しに来てしまう。
しかし最近アルマの奴がしつこいほど誘ってくる。
俺は俺で水面下で外に出られるように面倒くさくならないように調整してるんだからいちいち言うなっての。
「別に酒場でも出来ることいっぱいあるじゃねぇか。何が不満なんだよ。」
「…プライベートのギルさんも見てみたい…なんて俺のわがままですよね…すみません。」
ちょっと言葉に詰まってしまった。
なんだそれ。甘やかしたくなるだろう。
年下のかわいらしい我が儘に俺は弱いんだってお前に教えられたんだぞ。
やめろ、その捨てられた子犬のような目を俺に向けるな。
うるうるさせるな！頭なでたくなるだろう！
ああもう！
「分かった、分かったから。今度。今度な。」
「今度って具体的にいつですか…。」
「気が、向いたとき？」
「それ前も聞きました！」
しょうがないだろう！
ダウンタウンは法律以外に掟があっていろいろややこしいんだ！
この区域は特に迂闊に動けないところがあるし！
気が向いたらってのは説得が済んだらって意味だ。
俺がアップタウンへ行くことをよく思っていない連中がいる。
せっかくもぎ取った仕入れの権利さえ剥奪されかねない。
「俺、ギルさんのことが好きです。とっても。迷惑はかけたくありません。」
「…なんだよ改まって。」
「でも好きだから一緒に出掛けたり遊んだり知らないところを新しく知ったり、いろいろやりたいことがいっぱいあります。」
こいつ恥ずかしげもなく真剣なことを！
くっそう！子犬のような目が！
「ギルさん…。」
「…あー！！分かった分かったから！今度！今度の休み！」
ぱぁっと顔を輝かせたアルマが嬉しそうに微笑む。
ダメだ。俺はこいつにすこぶる弱い。
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午睡(プロフ) - 空弥さん» ご感想ありがとうございます！早めの更新を心掛けて頑張ります！ (2019年2月26日 19時) (
レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - ナッツさん» ご感想ありがとうございます！とっても励みになります…！ (2019年2月26日 19時) (レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 絡みがすごく可愛らしくて好みです……！作者様のペースで更新頑張ってください、応援してます (2019年2月24日 13時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - 好きです!!!最高です！続きめっちゃ気になります！更新楽しみにしてます!!!!!!! (2019年2月24日 3時) (レス) id: 7b2bfdb44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年2月18日 19時
