幼馴染と噂の店主�� ページ13
「なんだかすごく気が抜けました。末永く爆発してください。」
「あっはっはっは。俺はまだ付き合うとは言ってねぇゾ。」
ダウンタウンの人間だからとか騎士だからとか馬鹿らしくなってきた。
この二人は生まれや身分を超越してお互い惹かれあっている。
それだけで終わる話だった。
いつまでもモタモタしているんじゃなくてアルマの野郎が鈍感なだけだ。
自分は存分に好意を表に出す癖に。
遠回しのわりにわかりやすいギルさんのデレに気が付かないとか。
「天は二物を与えずって言いますけど、与えた分、別のところで引いてプラスマイナスゼロにしてるものなんですね。ザマぁみやがれ。」
「何のことだかわからねぇが可哀想なアルマクン。」
微塵も思っていなさそうなギルさんが笑う。
よく見たら俺が使っているグラスと二人のグラスでデザインが違う。
これもおそらくギルさんなりのデレ。
色違いのおそろいグラスとかなんだリア充なのか。
寧ろなぜこんなにもわかりずらいようでわかりやすいデレに気が付かない。
脳筋だからか。
生まれて最初に持ったものが騎士団長の愛剣だったからか。
貴族とのお遊びのような本気にならない恋愛経験しかないからか。
「ほら。そろそろ日が昇る。アルマ抱えて帰るなら今のうちだゼ。」
「知り合いに見られたらやばいですしね。」
一向に起きないアルマを何とか背負い上げ、多めの代金をカウンターに置いていく。
閉店後も居座ってしまった迷惑料だ。
「最後に一つ。」
出入り口まで見送りに出てくれたギルさんに振り返る。
夜が似合う漆黒の瞳が怪訝そうに揺れた。
座っている間は気がつかなかったけれど、俺より少しだけ低い背。
華奢ないように見えて実用的に身についた筋肉。
造形よりもその在り方が美しいギルさんをからかうつもりで質問をした。
「アルマのことどのぐらい好きですか？」
質問を聞いてフッと笑ったギルさんに一切の動揺もない。
少しぐらい恥ずかしがったりすれば面白かったのに変わらないあくどい笑みを浮かべるだけだ。
「俺がずーっとアルマに飲ませてたカクテル、覚えてるか？」
「え？」
「ジンライムっていってな。ジンって酒とライムジュースで作るモンだ。」
少し濁ったようなカクテルはジンライムと言うのか。
知らなかった知識に感心していると楽し気なギルさんと目が合う。
この人はどうして楽しそうにしている姿がこんなにも似合うのだろう。
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午睡(プロフ) - 空弥さん» ご感想ありがとうございます！早めの更新を心掛けて頑張ります！ (2019年2月26日 19時) (
レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - ナッツさん» ご感想ありがとうございます！とっても励みになります…！ (2019年2月26日 19時) (レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 絡みがすごく可愛らしくて好みです……！作者様のペースで更新頑張ってください、応援してます (2019年2月24日 13時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - 好きです!!!最高です！続きめっちゃ気になります！更新楽しみにしてます!!!!!!! (2019年2月24日 3時) (レス) id: 7b2bfdb44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年2月18日 19時
