デートが出来ぬ若造騎士 ページ34
商業区域の中でも一際目立たない奥地に店を構えた酒蔵。
行きつけなのだというその店の外で待つように言われ、待つこと数分。
カランカランと来客用のドアベルを鳴らして出てきたギルさんの表情は晴れやかだ。
「最近入荷した安酒が案外当たりだったらしくてナ。次店に来た時一緒に味見しようぜェ。」
「はい。ぜひご一緒させてください。」
店に直接送るように宅配を頼んだのか手ぶらで戻ってきた。
その後も周囲に立ち並ぶ店を巡り、食材から備品までどんどん買いそろえていく。
俺はというと完全に要らない子状態だ。
何の役にも立っていないどころかいてもいなくても大して変わらない。
心に深い傷を負いそうになっているけれど、ギルさんに楽しいか聞けば輝かしい笑顔で。
「誰かと買い物に出られるなんて夢みたいだ。超楽シィ。」
「あふんッ！！」
と、素晴らしいほどご機嫌。
そうだ俺。
一緒に商品を見なくても、おそろいのものが買えなくても、外に出て誰かと過ごすことが重要なのだ。
青空の下でルンルン気分のギルさんを見よ。
そう！俺が見たかったのはギルさんの笑顔！！
愛しき人が笑っていてくれているのに不満を呈すなど強欲だ。
本来の目的を忘れてはいけない。
酒場では見られないギルさんの表情を見たいがために俺のわがままで外へと連れ出した。
そもそもギルさんは太陽光にとっても弱い。
無理せず楽しく元気よくアップタウンを満喫できるようにサポート兼エスコートするのが俺の役目！
そこんとこはき違えるんじゃないぞ俺！！
「ギルさん、そろそろお昼にしませんか？」
「もうそんな時間か？」
朝からバタバタと買い出しに勤しんで既にお昼時。
屋内に居たり外に出たりとまばらに過ごしていれば体に疲労もたまるだろう。
よく顔を見れば皮膚が赤くなっている。
「少し日焼けしちゃってますね。」
「どっちかっていうとかぶれてる。」
「お昼がてら休憩にしましょう。」
ギルさんは堅苦しい場所をあまり好まないだろう。
民衆向けのカフェのランチを提案すれば、すんなり了承してくれた。
いいぞ俺！
完全にオーナーと見習い従業員だった空気を塗り替え始めた。
ギルさんは一度自分の好きなこと、やるべきことを始めると周りが見えなくなるのはよくわかった。
具体的に言えば俺が強く言えないのが原因ともいえなくもないが！
赤くなり始めたギルさんの手を取って商業区域を抜けていく。
熱いほどの手を強く握りしめて。
酒場の店主は大慌て�帰�←若造騎士と酒場の店主は待ち合わせ��
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午睡(プロフ) - 空弥さん» ご感想ありがとうございます！早めの更新を心掛けて頑張ります！ (2019年2月26日 19時) (
レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - ナッツさん» ご感想ありがとうございます！とっても励みになります…！ (2019年2月26日 19時) (レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 絡みがすごく可愛らしくて好みです……！作者様のペースで更新頑張ってください、応援してます (2019年2月24日 13時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - 好きです!!!最高です！続きめっちゃ気になります！更新楽しみにしてます!!!!!!! (2019年2月24日 3時) (レス) id: 7b2bfdb44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年2月18日 19時
