幼馴染と噂の店主�� ページ11
「ギルさん、すごく無粋なこと聞いていいですか？」
「嫌だって言っても聞く癖にぃ？」
目を細めてほほ笑んだギルさんが俺がやりそうなこと言い当ててきた。
確かにその通りで質問の意味なんてなかったと笑う。
接客業なだけあって人の性格を見切るのがうまい。
分かっているのならば聞いてしまえ。
「アルマのことどのぐらい知ってますか？」
「それは俺がこの区域でどのぐらいの立場にいるかって質問か？」
「…結果的にそうなりますね。」
ダウンタウンは地域ごとに決まりがある他にダウンダウン全体の決まり事もある。
その中の一つに「アップタウンへの出入り」というものがあるのだ。
ゴロツキが堅苦しいアップタウンで問題を起こさないためのルールである。
酒場自体はダウンタウンのどの地位にいてもやれる。
けれどこの店に置いてある酒はアップタウンにあるものから、おそらく取引をしていると噂の隣国からの輸入品の酒まで取り扱いは幅広い。
最低でも「アップタウンへ出入りできる地位」であり「輸入の分け前を手に入れられるコネ」を持っている。
この地域のトップと肩を並べるほどの大物かもしれない。
騎士としてアルマの幼馴染としてギルさんの立場は確認しておきたかった。
「騎士のオメーらがこの地域をどのぐらい知ってるかによって返答は変わるナァ。」
「残念ながらこの地域については"何も知りません"としか。トップは流石に知っているのですけれどね。」
「フゥーン。騎士様ってのは意外と無能？」
「返す言葉もございません。」
興味なさげにだらだらとハイボールを飲む様は余裕ありげだ。
ダウンタウンに住んでいるからといって全員が全員犯罪歴があるわけじゃない。
ギルさんも真っ当かどうかは知れないが犯罪にまで手を染めていない口だろう。
「トップを張っているのは"ギルバート・クロウリー"だと聞いています。」
「言っちまうとよぉ。お優しいギルバートサンは仕入れぐらいならアップタウンへの出入りを許可してんだよ。輸入についても一枚噛んでんのさ。」
「ええ！？規制ゆる！？」
ダウンタウン全体の決まりといえどもその地域トップの裁量だ。
仕入れならいいなんて決まりが本当にあるならアップタウンの酒があってもおかしくない。
「ここのトップは相当優しいのでは…？」
「タダの酒好きサ。それ以外のことにゃ殺傷もいとわない。」
唾を飲み込む。
ヤバい地域は酒以外の物事がヤバい地域という意味だったのか。
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午睡(プロフ) - 空弥さん» ご感想ありがとうございます！早めの更新を心掛けて頑張ります！ (2019年2月26日 19時) (
レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - ナッツさん» ご感想ありがとうございます！とっても励みになります…！ (2019年2月26日 19時) (レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 絡みがすごく可愛らしくて好みです……！作者様のペースで更新頑張ってください、応援してます (2019年2月24日 13時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - 好きです!!!最高です！続きめっちゃ気になります！更新楽しみにしてます!!!!!!! (2019年2月24日 3時) (レス) id: 7b2bfdb44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年2月18日 19時
