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第39話 ページ41

黒尾side


みんなで食事を作り、楽しんで迎えた五日目


Aはまたどこかへ消えた


木兎曰く、少し離れた大きな、大きな倉庫にいるらしい


あいつに聞かれないのをいいことに





俺たちは初めて、ちゃんと顔を合わせて話し合いをした








どうしようもない言い合いと、少しばかりの喧嘩





それぞれが腹を割って本心をぶちまけ、





それぞれの想いと決意を共有した









いままでお互いがお互いに寄りかかるだけで


話をしようなんで思いもしなかった








だって、


俺たちには意思は必要ないから


もっと言えば、人格なんて必要なかった








でも、


ここでは一度捨てようとしたものすら必要とされる



あの時、諦めようとしていた何かを叶えられるのかもしれない









もしかすると、









ずっと昔に奪われてしまった









“自由”を取り戻せるのではないか









俺たちは日が暮れるまで話をした





泣きながら、笑いながら、





今まで考えていたこと



自分の過去、故郷、家族、友人




夢、希望、




未来、将来









これ以上ないって程、言葉を尽くして、話し続けたら




びっくりするくらい声がガラガラになっていた



そのことにもう一度、ひとしきり笑って









俺たちはAの前に立った






木「俺たち、いっぱい話をしたんだ」


黒「A、今度はあんたと話がしたい」


赤「よく考えてみれば、俺たちはあなたと話をしようとしませんでした
  だから、ちゃんと向き合いたい」


月「僕たちはあなたのことも、“悪魔の見初め子”のことも何も知りません
  教えてください」






これからどうするのか、どうしたいのかを決めるためにも









あいつの目は大きく見開かれていて


零れ落ちるんじゃないかなんて、場違いなことを思った




魚が呼吸するように、パクパクと幾度が口を動かしてから、真一文字に結んだ








そして、




貴「わかった」


あのオッドアイが俺たちを射抜いた


貴「明日一日、話そう
  俺の話せる限りのすべてを包み隠さず、答えると誓おう」





俺たちは初めて一歩、踏み出したように思えた

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設定タグ:第三体育館組 , ハイキュー   
作品ジャンル:ファンタジー
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カゲロウ・イズ(プロフ) - 月影●○雷世さん» ありがとうございます!そういっていただけると嬉しいです。これからもお付き合いのほどよろしくお願いします。 (2017年3月24日 14時) (レス) id: fb4b8f8897 (このIDを非表示/違反報告)
月影●○雷世 - 難しいから無理かなぁ?って見たけど続きが凄い気になる話しですね!!!はまりました!これからも頑張って下さい! (2017年3月24日 14時) (レス) id: 3c6ba05b70 (このIDを非表示/違反報告)
睡蓮 - ほえー( °А°)そんな細かい設定が……。細かい設定があるの嬉しいです!! 続き楽しみです(*^^)ノシ (2017年3月14日 9時) (レス) id: 2c0bf17531 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ・イズ(プロフ) - 睡蓮さん» 受験、お疲れさまでした。いつも読んで下さり、ありがとうございます!とても励みになります。期待に応えられるよう、頑張ります! (2017年3月13日 18時) (レス) id: fb4b8f8897 (このIDを非表示/違反報告)
睡蓮 - フオォォォォォオオオオ!!!題名出てきたぁぁああ(°∀° )展開が!展開がァァアアア!! ホントに俺好みです!!!!  受験が終わったんでこれから毎日見に来ます。これからも頑張ってください!けど、無理しないで下さいね?ではではノシ (2017年3月13日 9時) (レス) id: 2c0bf17531 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カゲロウ・イズ | 作成日時:2016年1月22日 23時

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