【wrwrd】最強な最弱少年 zwei[男主] (ページ13)

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暗い部屋ページ13

各自バラけた我々はある程度の目的地を決めて動き出した。

私はAの部屋へと続く廊下をトン氏と共に歩く。

「まだ夕方なはずなんやけどなぁ……」

そう呟いたトン氏の言葉に改めて周りを見渡す。

Aの部屋へと続く廊下は
普段なら夕陽が入って、オレンジ色に輝くのだが

今歩いているその廊下は
オレンジ色は一切なく
薄暗さが続いている。

「まるで何か表してる様だな」

ポツリとそう冗談交じりに言えば

やめてくださいよ、なんて返ってくる。

「なぁ、グルさん。」

「あんま認めた無いけど、ちょっと急いだ方がいいんちゃいます?」

「なんか部屋の方から気配するんやけど」

一歩一歩Aの部屋に近付く度

濃くなっていく気配。

そういえば

先程全員に伝達した際、

Aだけ反応が無かった。

「急ぐか。」

頷き合い
音を立てないように廊下を走り出す。

なんだかいやに長く感じる廊下を

走って、走って

Aの部屋の前に着いたら

一気に濃くなる気。

「入るぞ」

一拍おいて、同時に扉を勢い良く開ける

窓からの風でパタパタなびくカーテン。

部屋の隅にあるベットで横たわっているA

その他には人はいなかった。

「Aだけ……か……?」

「そうみたいですねぇ……」

周囲をクリアリングしながらAに近付く。

「………息はあるな」

動く胸元に安堵していると枕元に何か落ちているのが見えた。

「……なんだこれは。」

手袋のまま、その物体を持ち上げる。

それは黒い果実の様だった。

トン氏にも見せようと
後ろをむいた瞬間だった。

「グルさん…!!!!」

俺の首に銀色に光るものが当てられたのは。