検索窓
今日:7 hit、昨日:5 hit、合計:103,688 hit

バレンタイン/ut ページ44

「Aくーんーー」



「なーにー鬱せんせーー??」





自室で本を読んでると

勢いよく扉を開け放ち飛び込んでくる鬱せんせー

まぁ、足音が聞こえてたから驚きはしない。





「Aくん。聞いて」


先程までの間延びした様な口調はどこへやら

急に真面目なトーンで話し始めた鬱せんせーに

何かあったのかと不安になり、本から顔を上げて話を聞く体制になる。




「なんかしたの…?」

「それがね…………」


ゴクリ

ひとつ喉を動かすと

決心した顔の鬱せんせーが口を開く。



「実はね……」

「収穫0だったんすよォ!!!!!!!!」


一瞬何のことか分からなくて頭上にハテナを浮かべたが

瞬時に先程、チョコもらいに行ってくると張り切って出かけてたのを思い出す。




「なんだ。そんな事か。」


「なんや…Aくんも冷たいなぁ……」




心配して損した。


はぁ、と深いため息をつき立ち上がる。


「ん、お、Aくん??Aさん!?」


鬱せんせーを立ち上がらせ

そのまま腹あたりを押して
部屋から追い出す。



「なんで追い出そうとするん!?」


「じゃーまー。僕、本読みたい」

ひどいっと喚く鬱せんせーを無視して

ぐいぐい押し出していく




「やめてっせめてお腹押すのはやめて!!」


「軽くポヨンポヨンする」

「やめてっ!!!!」



そんなやり取りをしつつ、
出口付近でくるっと背を向けさせ

無事追い出すことに成功。



「僕以外の人に構ってもらってね」


そう言ってバタンと扉を閉めて

鍵をかける


数分後。


さっきよりも激しいバタバタ音が聞こえ僕の部屋の前で止まったかと思うとバンバン扉を叩く音。



「Aくん!?Aくんこれなに!!!!!」


「……誰からも貰えなかった可愛そうな鬱せんせーに僕からのプレゼントだよ。」



追い出した時に
シガレットチョコが入った箱を普段せんせーが吸ってるタバコの箱に擬態させ
こっそり胸ポケットに入れておいたのだ。



「Aくん……!!」

キラキラした声が聞こえて微笑ましくなったけど

鬱せんせー気づいてるのかな??

こっちに向かってくるもうひとつの足音に。









「鬱せんせー」


「廊下は静かに動くもんだよ」


「お大事に」






「へ??何のこと??」









その後、誰かに下されたであろう粛清音と共に
鬱せんせーの汚い声が
扉の向こう側から聞こえてきたのであった。

バレンタイン/sn→←バレンタイン/ht(2)


ラッキーカラー

あずきいろ


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (88 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
220人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

猫好き - ベーコンレタス美味しいよね!( ^∀^)腐腐腐… (2018年12月22日 12時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
still(プロフ) - 翔也さん» わわ!ありがとうございます!!ヽ(;▽;)ノ嬉しいです…!更新頑張りますね!! (2018年1月12日 21時) (レス) id: 2ef8bb6664 (このIDを非表示/違反報告)
翔也(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2018年1月12日 21時) (レス) id: b09bb58aa9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:すー | 作成日時:2018年1月8日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。