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#10 ページ10

暗くて、身動きがとれない。
 
 遠くで声が聞こえても、それが何て言ってるのか分からない。
 
 
 これが…死ぬって感覚か。
 
 
 
 「そう思ってたら…」
 
 なんか、白い空間で、一人の女の子に逢った。
 
 「それが結衣」
 「…じゃあ広臣…私と逢うまで、ずっと暗い中にいたの?」
 「ん…どうなんだろう」
 
 ここにいると、時間の感覚ないから。
 でも、ここは夢の中だって分かった瞬間、この世界にすごく魅了された。
 
 だって、想ったことが現実になる。空腹になることも、痛みを感じることもない。
 

 
 ―――――
 
 目が覚めると朝で。目には涙が流れた跡があって。
 
 
 
 
 
 
 
 広臣…死んじゃってたんだ…
 
 
 なんだかそう思うと…すごく…寂しくて、辛くなって…
 息が苦しくなる。
 
 「っ…うぅ…」
 
 初恋の人が死人なんて…救いようがない恋だな…なんて思って。
 
 
 会社をまた休んだ。なんかもう、生きる気力がない。
 現実に広臣がいないなら…私も…
 
 
 ―ずっと夢の中に…広臣と一緒に…
 
 
 
 
 
 
 
 気が付くと、白い天井が見えた。
 視線を動かせば、安心したような、心配しているような今市さんの顔。
 
 「…良かった…本当に…」
 
 私…なにして…
 
 「…睡眠薬…一気にのむなんて…」
 
 …そうだ、ずっと眠っていたくて…睡眠薬…いっぱい飲んだんだった…
 
 「死ぬかも知れなかったんだよ…?」
 
 今市さんに言われて、血の気が引く。
 
 
 死ぬ…
 
 「っ…いや…」
 「結衣さん?」
 「いや!」
 
 
 広臣…!広臣…!!
 
 「結衣さん!」
 
 今市さんに抱き止められる。
 
 「離して!!会わせて…広臣に会わせてよ!!」
 「落ち着いて結衣さん!」
 
 看護婦や医者が病室に入ってくる。私は押さえつけられて、点滴を打たれる。
 
 
 
 会いたい…会って抱き締めて…広臣…
 
 死んでるなんて…嘘って言って…
 
 
 生きて…会いに来て…
 
 
 ふわふわとする浮遊感の中。
 
 
 ―助けて…
 
 
 誰か、この苦しさをどうにかして。

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設定タグ:登坂広臣 , 三代目 , 三代目JSoulBrothers   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:NightMare | 作成日時:2019年5月20日 22時

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