Dream Catcher (ページ4)

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#04 ページ4

目を開けると、頭の痛さが現実に引き戻した。
　昨日ちゃんと湯船に浸からなかったし、最近は寒くなってきているのに、私は薄いブランケットしか掛けていないから、きっと風邪でも引いたんだ。
　
　…迷惑かな。風邪なんかで休むなんて。
　そう思って、重く、動きたくないと言う身体を無理矢理起こして、仕事に向かった。
　
　
　
　ボーッとするし、下を向くと頭が鼓動に合わせてズキズキ痛む。
　心なしか、耳も全ての音を遠く感じさせた。
　
　
　
　「結衣さん」
　
　ぼんやりした意識がはっきりしたときは、会社の医務室にいた。
　
　「風邪なのに出勤なんて…無理しちゃって」
　
　全く、と私の顔を覗き込んだまま言う上司の今市さん。
　
　「今日はもう帰りな。送っていくから」
　「…大丈夫です…一人で帰れます…」
　「そんな事言って、職場でぶっ倒れたのは誰ですか？」
　
　…ぐうの音も出ません…
　
　
　―――――
　
　結局、家の前まで今市さんの車で送ってもらってしまった。
　
　「………玄関まで…送りましょうか…？」
　
　言おうか言わないか凄く悩んだんだろうなって感じさせる沈黙を破り、今市さんが発した言葉。
　
　「…一人で…上がれますから」
　
　ありがとうございます、と頭を下げて車から降りて地面に足をついたときだった。
　足に思いの外力が入らなくなって、今市さんの車の車体に身体を預けて立つのが精一杯。
　どうしてこんなに…
　
　「…やっぱり送ります…」
　
　苦笑いして運転席から降りてきた今市さん。私の横に来る。
　私の肩を支えて立たせてくれると、歩幅を合わせて歩いてくれる。
　ボーッとする私に今市さんは
　
　「…鍵…あります？」
　
　私は「バッグ…」としか言えなくて。なんだか急に重い荷物を背中に持たされたような…
　頭がクラクラとかそんなレベルじゃなく、ぐわんぐわんしてきて…
　
　「…結衣さん？」
　
　そのまま意識を手放した。
　