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#18 ページ18

目を覚ますと、病院のベッドに寝ていた。
 
 「結衣ちゃん!やっと起きたんやな!」
 
 焦った様子の健二郎さん…
 私…どうして…
 
 慌ただしく、今市さんがドアを開けた。
 
 
 「結衣さん!広臣が!」
 
 
 
 
 
 
 ―「広臣の容態が!」
 
 
 
 ―――――
 
 医者に囲まれている広臣。
 
 どうなってるの?どうしたの?
 聞こうとしても…声がでない。
 音が、遠く聞こえてくる。
 
 
 ねぇ…広臣……
 
 
 「起きて……」
 
 起きて……広臣……
 
 
 「結衣さん!」
 
 今市さんも、医者も、看護婦も押し退けて、私は、広臣の手を握った。
 
 「起きて!広臣!頑張って!」
 
 
 夢に捕まってるなら……私が引っ張るから…
 
 「離れて!」
 
 看護婦に引っ張られても、広臣の手を離せなかった。
 
 今離したら、広臣が夢という…真っ暗な空間に
 
 
 落ちてしまうと思ったから。
 
 
 「起きてよ…!起きて…!」
 
 「離れて下さい!」
 「おい!この人を離せ!」
 
 
 



 
 
 
 「………………」
 
 「っ!」
 
 
 
 見間違えたかと思った。
 
 
 幻覚を、見ているかと思った。
 
 
 
 「………………」
 
 はっきりわかる。
 
 「広臣!」
 
 少しだけ、口が動いている。
 
 「静かに!」
 
 エリーさんが医者たちに強く言った。
 
 
 「…………」
 「広臣…?」
 
 酸素マスク越しに、耳を近付けた。
 
 
 



 
 
 「……い……っしょ…に…………」
 
 握った手が、ほんの少しだけ、握り返された。
 
 
 


 
 「………い……き……た………い…」
 
 
 ―一緒に生きたい。
 
 
 確かに、そう言った。
 
 
 
 「…………結衣………………いき……た…い…」
 
 
 「っ…頑張って広臣…ずっとそばにいるから…」
 
 
 
 
 一緒に…生きよう…
 
 
 
 ―――――
 
 
 
 「奇跡」とは、偶然が重なって起きるもの。
 
 世界の全ては、偶然起きるもので、
 
 そのなかで「奇跡」と呼べるものは少ない。
 
 奇跡を、信じられないかもしれない。
 
 
 でも、一瞬でも信じることができるなら
 
 
 
 
 
 それこそ、奇跡なんだろう。

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設定タグ:登坂広臣 , 三代目 , 三代目JSoulBrothers   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:NightMare | 作成日時:2019年5月20日 22時

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