#17 ページ17
ドリームキャッチャーは、悪夢を取るって言われてる。
広臣が眠っても、怖い夢を見ないように…って、もしかしたらお父様が…?
「あー!そう!そんなのだった気が…」
暫くして、エリーさんが持ってきた物に、私は固まった。
白と、パステルブルーのサークル…中心には青い宝石…
私が…あの老人に貰ったのと同じ…
「…これ…」
「広臣さんのお父さん、手先器用だったみたいで、よく病院抜け出して、作ったものを売った金で、広臣さんに花を買ってたみたいっすよ」
そうか…あの老人は…
お父様…だったんだ…
「…えっ、お姉さん?どうしたんすか?」
エリーさんが焦って私を見ている。
…私、今…泣いてる?
「…ごめんなさい、どうしてかな…あはは…」
なんか、感動しすぎて…
全て…本当に、運命みたい…
―――――
夜が深くなる。
広臣の傍らにはドリームキャッチャーが。
考えてみれば、自分の家で寝なくなった時から、広臣と会えてない。
このドリームキャッチャーが、広臣と会える鍵になっているなら…
近くにあれば、きっとまた…
「結衣…」
ほら…やっぱり…
「広臣、聞いて」
朝まで時間がないの。
薬を飲んでないから、確実にアラームの音で起こされてしまう。
「広臣、貴方は死んでない…生きてるよ」
「…え?」
「私今、広臣の…隣にいる」
「…冗談でしょ、それ」
「ほんと!脳に障害もないの!広臣、事故から三年間、ずっと眠ってるんだよ!」
広臣は急に頭を抑える。
「っ…」
「広臣!」
「…戻れないよ…もう…」
「どうして?」
「俺は…夢に…捕まったから」
夢に…捕まっちゃった…
「っ…なら、私が引っ張るから!」
瞼が重くなる。
起きてしまう…現実に…引き戻される。
「広臣!起きて!
起きて私と一緒に……!!」
一緒に……
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作者名:NightMare | 作成日時:2019年5月20日 22時