執着ストーカー！ ページ1
「あぁ、フロイド様……今日もかっこいい…」
私は物陰から今日も彼を見つめる。
ここは人魚達の中学校。の中でも成績優秀な良い生徒たちが集まっている。
だけど私は頭が悪い。だから血の滲むような努力をし、推薦でタダでこの学校に入れてもらったのだ。
本当に頑張った。ここにいてもおかしくない最低限の成績を取り、ちょびっとのズルと媚びでここへと入学した。
その目的はただひとつ！少しでもフロイド様の近くで生きていたい……！
私とフロイド様の出会いは小学生。私はよそ見をして泳いでいたところ岩にぶつかってしまったのだ。
そこに偶然通りかかったフロイド様が一言。
『わぁ、君ってびっくりするくらい馬鹿だね〜』
私は思った。
何て美しいんだろう……！
私は私の持つ全ての力を駆使して彼の身元を調べた。通う学校、住所、交友関係、家族構成……。そして志望校を調べ、今に至る。
フロイド様はイケメンかつ掴み所のないマイペースな性格が可愛いと女子生徒達にモテている。
彼の双子のジェイド様や幼なじみのアズール様も同様に学園のアイドルだ。三人が集まるともう本当にまばゆくて……。
だからただの陰キャラの私には近づけない。
でもいいのだ。こうして彼を眺めているだけでとてもとても幸せだから。
そう思っていたのに。
いつものように、ジェイド様と共に下校するフロイド様を尾行していた時だった。
黒い何かがお二人の前に現れたのだ。学校で習った気がする。あれは──馬車？
選ばれた者には黒い馬車が迎えに来る──
ナイトイブンカレッジへの馬車が。
え、つまりフロイド様はジェイド様と一緒に魔法学校に！？そんなぁ！！
ここまで頑張ったのに！近くにいたいのに！
それは困る！ここまで来て諦めるもんですか！
私は泳いだ。信じられないくらい速く。
そして馬車の後ろの足場に乗る。
どうやら他の人魚も数名、馬車が迎えに来たようだ。黒い馬車が泳いでいる。
私は別の馬車に飛び移った。中の棺を持ち上げる。
そこには同じ学校の同級生がいて、すやすやと眠っている。同級生に小さく呟く。
「……ごめんね」
そして制服を剥ぎ取り、人魚を馬車の外へと放り投げた。
鞄の中の手鏡を落として割る。その破片を使って私は自慢の紫色の髪と睫毛を切り落とし棺の中に潜り込む。
その瞬間、私の意識が遠退いた……。
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リュウ - マジすか、、今まで面白い小説を書いてくれてありがとございました！ (2020年5月31日 7時) (
レス) id: e886e2837b (このIDを非表示/違反報告)
へへんの屁 - 頑張ってください！めっちゃ好きです！ (2020年5月14日 16時) (レス) id: 58226c6843 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンリタ | 作成日時：2020年3月22日 19時
