2 ページ42
.
大きな音と共に、自分の身体がどこかに着地した感覚がした。
恐々薄めを開けて、うめちゃんの無事を確認する。辺りを見渡すと、私が桜庭先生に抱えられて階段下に落ちたのが分かった。
「 …桜庭先生！！？ 」
所謂下敷き状態。
うめちゃんを抱えながら桜庭先生から身を退け、私は半ばﾊﾟﾆｯｸ状態になった。
「 大丈夫大丈夫… 」
2人こそ大丈夫だった？、と微笑まれて、大丈夫ですと頷く。うめちゃんは突然のことで呆然としていた。
とりあえず階段に座らせて、桜庭先生の身体を確認する。
黙って触られていた桜庭先生が、左足を触った時に小さく呻いた。
「 ここ、痛いですか 」
「 別に大したことでは… 」
ようするに肯定だ。
裾をめくると、赤くなっている。
「 捻挫かな…誰か、成瀬先生にでも診てもらいましょう。私に掴まってください 」
1人で歩けるよ、などどほざく口を無視して腕を肩に回してもらう。片腕で先生を支えて、もう片方でうめちゃんと手を繋ぐ。
桜庭先生をｽﾃｰｼｮﾝに託すまで、うめちゃんには一緒に来てもらおう。
.
「 何やってんだ 」
「 すみません……… 」
桜庭先生と2人して小さくなる。
先生とｽﾃｰｼｮﾝに戻り、事の流れを成瀬先生に報告したところ案の定叱られた。何も言えない。
「 田所さん、患者さんを病室に戻す際には階段でなくｴﾚﾍﾞｰﾀｰを使ってください 」
「 申し訳ないです… 」
「 とりあえずこいつの処置は俺がします。うめちゃんは病室に連れて行ってくださいね 」
「 はい… 」
ｴﾚﾍﾞｰﾀｰでね、と念を押され、項垂れる。うめちゃんを病室に帰した後再びｽﾃｰｼｮﾝに戻ると、益田先輩にもお叱りを受けた。とほほ。
「 あの…桜庭先生どうですか 」
ｽﾃｰｼｮﾝのﾃﾞｽｸで座っている先生に声をかける。
「 今冷やしてるとこです 」
高岡先生が替えのｱｲｽﾊﾞｯｸﾞを持ってやってきた。はい、と放られて、「 雑！ 」と桜庭先生が抗議した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 185人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
(にゃん) - みさん» み さん初めまして！ｺﾒﾝﾄありがとうございます。とっても嬉しいです☺️この作品は私なりに納得する形で完結させているので、続きを書く予定は無いのですが… 最近ﾄﾞﾗﾏが再映されたからか沢山見てくださっていて嬉しいです。大好きという言葉、感激です！ (2022年9月23日 1時) (
レス) id: 9519cf6d52 (このIDを非表示/違反報告)
み - こんばんは。もう続きは書かないのですか？？このシリーズすごく大好きなので... (2022年8月19日 19時) (レス) id: f9fb7945cf (このIDを非表示/違反報告)
(にゃん) - ぱんださん» ぱんださん、ﾘｸｴｽﾄありがとうございました☺️！少しでもご希望に添えたら幸いです…！次も是非待っていてください<3 (2021年10月13日 1時) (レス) id: 9519cf6d52 (このIDを非表示/違反報告)
ぱんだ(プロフ) - リクエスト書いてくださりありがとうございました！次のお話の更新も楽しみにしています！！ (2021年10月12日 23時) (レス) id: eb0d942c02 (このIDを非表示/違反報告)
(にゃん) - 【御礼】ﾘｸｴｽﾄ、なんともう２つ頂きましたのでﾘｸｴｽﾄを締め切らせて頂きます！ありがたいです！！TT 最後まであとすこし、是非お付き合いくださいませ<3 (2021年10月10日 1時) (レス) id: 9519cf6d52 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：(にゃん) | 作成日時：2021年8月20日 20時
