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「 報告した通り、桜庭はしばらく休む。さっきは嘉島にとやかく言われたく無かったから細かい説明は省いたが...……桜庭は今本院で入院治療中だ 」
私だけでなく皆に向けて発せられた言葉に、皆がどよめいた。
「 また拒絶反応ですか 」
「 それは違う 」
深澤先生に首を振って見せ、本郷先生は続ける。
「 約二週間前、外来に風邪の疑いの患者が来た。風邪だと診断されたが、その患者はその後も症状が改善せず、昼に再び呼吸器内科を受診した。そこで、彼女がｵｳﾑ病に感染していたことが発覚した 」
ｵｳﾑ病、と隣にいた新村君が呟いた。
「 感染源は彼女が飼っていたｲﾝｺとされている。飼育環境が不衛生で、放し飼いにもしていたと聞くからな。
外来担当は桜庭だった。本来ﾋﾄ同士の感染はほぼ無いが、彼女の衣類についていた糞を吸い込んだ可能性はある。桜庭は特に、免疫抑制剤を服用していて感染ﾘｽｸが高い 」
「 それじゃあ、桜庭は… 」
「 この件が本院に伝えられ、検査を行った結果、桜庭のｵｳﾑ病の感染が認められたわけだ 」
まじか、と深澤先生がこぼす。
新村君が、あの時患者さんが払った糞ですよ、と呟くのを聞きながら、ｼｮｯｸが隠せない。案ずるように、益田先輩が私の肩に手を置いた。
「 状態…悪いんですか？ 」
高岡先生の質問に、本郷先生は小さくため息をついた。
「 肺炎の症状が出ている。免疫力が低い患者は重症化ﾘｽｸが高まるからな 」
「 肺炎… 」
深澤先生が青冷める。肺炎なんて、どうしてそんな深刻な。
初めて、先生の身体のことが怖くなった。ｵｳﾑ病は、感染例が少ない病気だ。例え感染しても重症化することは少ない。
感染した人は今まで見てないし、桜庭先生だって考えなかったはず。
" 免疫抑制剤を服用しているから "、起きたことかもしれない_______そんな先生がこの先、救急医を続けられるのか。
普段先生が抱えていることを、初めて実感した気がした。
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桜庭病院の看板を、恨めしく見つめる。この看板をろくな理由で見ることがない。「 田所さん、眉間眉間 」と朝倉先生に言われてﾊｯとする。思い切り睨んでいた。
問い合わせると、ｵｳﾑ病は感染ﾘｽｸが高くないため面会も可能だと答えがあったから勤務後皆と来たのだ。
今日は私がﾄﾞｱに手をかけて振り返る。
いつも通り、頼れるﾅｲﾄﾄﾞｸﾀｰ達が頷いた。
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(にゃん) - みさん» み さん初めまして！ｺﾒﾝﾄありがとうございます。とっても嬉しいです☺️この作品は私なりに納得する形で完結させているので、続きを書く予定は無いのですが… 最近ﾄﾞﾗﾏが再映されたからか沢山見てくださっていて嬉しいです。大好きという言葉、感激です！ (2022年9月23日 1時) (
レス) id: 9519cf6d52 (このIDを非表示/違反報告)
み - こんばんは。もう続きは書かないのですか？？このシリーズすごく大好きなので... (2022年8月19日 19時) (レス) id: f9fb7945cf (このIDを非表示/違反報告)
(にゃん) - ぱんださん» ぱんださん、ﾘｸｴｽﾄありがとうございました☺️！少しでもご希望に添えたら幸いです…！次も是非待っていてください<3 (2021年10月13日 1時) (レス) id: 9519cf6d52 (このIDを非表示/違反報告)
ぱんだ(プロフ) - リクエスト書いてくださりありがとうございました！次のお話の更新も楽しみにしています！！ (2021年10月12日 23時) (レス) id: eb0d942c02 (このIDを非表示/違反報告)
(にゃん) - 【御礼】ﾘｸｴｽﾄ、なんともう２つ頂きましたのでﾘｸｴｽﾄを締め切らせて頂きます！ありがたいです！！TT 最後まであとすこし、是非お付き合いくださいませ<3 (2021年10月10日 1時) (レス) id: 9519cf6d52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：(にゃん) | 作成日時：2021年8月20日 20時
