ナイトジュエリー 5nd

無のブラックダイヤモンド ページ16

「傷が…治ってる」



山田の家にて



山田の傷の具合を見ようと、知念が服をめくると傷が治っていたのだ



『なんとか力をフルに使って治したよ』



ルビーの額にはうっすらと汗が滲み出ていた



しかし、12人は下を向いていた



「ゆうてぃ…」



理由は簡単、中島である



ブラックダイヤモンドの器として中島は体を乗っ取られたのだ



彼は自分の足を打ち、ブラックダイヤモンドに仲間を追いかけさせないようにした



「逆に裕翔の方も傷は治っていつでも俺たちに攻撃を仕掛けることができるってことだよね」



高木は拳をにぎりしめる



「…裕翔くんは俺たちに黙ってました。こういう時こそ…話して欲しいのに」



松島も唇を噛み締める



「クソ!!」



山田は思いっきり壁を叩いた



『…なぁ』



その時であった



『話が…ある』



今まで黙っていたアクアマリンが口を開いた



そして懐から一通の手紙を取りだした



『…預かってたんだ。これ』



そこには中島の字で『仲間の皆へ』と書かれていた



『あの時は深く追求しなかったけど…こうなるなんてね』



岡本はアクアマリンから手紙を受け取り、丁寧に封を開ける



そこには便箋が入っていた



「…俺が…読むね」



「薮…」


薮は一呼吸置いて読み始めた

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