ナイトジュエリー 4nd

忘却のジェット ページ35

「松島聡…松島聡…」



名前を呟きながら、松島は思い出に触れていく



「知念くんのおかげで思い出せたな」



あとはここからどうやって現実世界に帰るかだけど



松島が周りを見渡していると



『ジェットまで…逃げるの？』



ブラックダイヤモンドが現れた



「逃げるって…言い方酷くないですか？」



松島は答える



『全部を忘れたやつが…現実世界に戻ったって何も出来ないだけ。ここに入れば安全だよ』



あくまでもブラックダイヤモンドは松島をとどまらせる作戦みたいだ



しかし



「…まぁ、それも考えていたんですけどね。俺は『松島聡』に戻ります」



その誘いを松島は断った



「俺は本当に俺の要るべき場所を見つけたんで。もう、何も忘れません」



その目には希望が宿っていた



『じゃあ、僕の過去も？』



ブラックダイヤモンドの問いに



「過去は覚えているから今があるんです」



松島はそう答える



『過去があるから…今がある』











《なんと!!取り返しのつかないことを…》



《貴様が行ったことは重罪だ!!余程重い罪を償って貰わないといけない!!》



《誰も…僕を認めてくれないからでしょ？》



《あなたの意見に賛同します》



《あの宝石たちにうんざりだったんですよ》



《僕たちが手伝います》



《全てはこの国を…あなたのものにするために》



「ブラックダイヤモンド様。それでは」



松島は深くお辞儀をした



『…今回は頼ってくれないんだ。裏切りの宝石たちは頼るのに』

忘却のジェット→←忘却のジェット

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す