ナイトジュエリー 4nd

完璧のオブシディアン ページ11

「…いるんやろ？出てこいや」



重岡はある場所に声をかける



そこには外国人が座り込んでいた



「What happened？」



「演じなくてもええで。正体分かりきってるからな。…ジャスパー」



すると、外国人はニヤリと笑い女へと戻っていった



『ブラックダイヤモンド様の手を跳ね除けるとは…。何が目的だ？』



ジャスパーは今まで以上に冷たい目で重岡を見る



「なーんも。目的なんてないで。ただ…重岡大毅として生きたいって願っただけや」



重岡は遠くを見る



その目にはシリマナイトの頃と違い、生気が溢れていた



『…理解し難い』




「あんたも大変やな。どうせ、近くにおるんやろ？ジャスパーが単独行動なんてせんからな」


『僕のこと？』



重岡は首を後ろに回せないが、そこに誰かがいるのはわかった



「どないするん？あんたの駒、勝手に動き出したで」



軽く挑発する



しかし、ブラックダイヤモンドの意識は違うところに行っていた



『…なんでそんなにイキイキしていられる？友だちに見捨てられたんだよ？』



「見捨てられたって…人聞きの悪い。俺の事を仲間に任せて、圭人はオブシディアンを助けに行ったんや」


重岡はブラックダイヤモンドを何とか見ようとする



だが、上手く隠れて見えなかった



『…仲間が助けに来る確率は少ないのに…』



「そこは賭けやな。でも、俺はかなり勝算はあると思うで」



『なんで？』



重岡もニヤリと笑い




「信じてるから」



と言った



ブラックダイヤモンドはそのまま重岡を眠らせたかったが、シリマナイトが消えたからなのか催眠術が使えなくなってしまったのだ



『…分からない。人間って…分からない』



ブラックダイヤモンドは頭を抱える



「人間がわからんって…あんたも人間やろ？」



その言葉がブラックダイヤモンドの怒りを買った


『僕は…アイツらと同じなのに…何が違うんだ!!』



『同じ人間なのに…なんで差別されるんだ!!』



『ブラックダイヤモンド様。落ち着いて…』



ジャスパーがブラックダイヤモンドを宥める



その時であった



ガタンという音と共に重岡を括りつけていた十字架が外れた



それと



「シゲ!!」



信じていた仲間たちも



「ナイスタイミングやったで。皆」



ブラックダイヤモンドは5人を睨みつけるとジャスパーと共にどこかへ行ってしまった



「シゲ。何か言うことは？」



「謝罪はあとや。今は…オブシディアン救って欲しい」

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